ワントーンというElegance
ERMENEGILDO ZEGNA
エルメネジルド ゼニア
エルメネジルド ゼニアがこのところ強く打ち出しているスタイルに、“ワントーン”のドレスがある。あえて全体をワントーンにまとめることで浮かぶ柔らかさ、優雅な趣がこれの真骨頂だ。
ただ、シンプルなようで絶妙なバランスの上で成り立つ装いでもあるから、コーデも迷わずメゾンの美意識に頼りたい。カシミアブレンドのソフトなコーデュロイセットアップに合わせたのは、ブラウン無地のツイルシャツと、グレー×ブラウンの小紋タイ。わずかなトーンの違いが、落ち着いたブラウンワントーンの装いへ、さらなる奥行きを与える。

ベルベットの寛ぎというElegance
GIORGIO ARMANI
ジョルジオ アルマーニ
しなやかなドレープを湛えながら身体を包む上下の生地は、洗いのかかったキュプラ。ジョルジオ アルマーニらしいソフトな仕立てが相まって、その着用感はまるでカーディガンだ。
遠目には無地だが、生地表面には波打つような織り模様が浮かび、表情へ深みを添えている。“洒脱”の表現が似合う、そんなセットアップの胸元に合わせたのは、柔らかなベルベットのシャツ。ブルーグレーの中庸的な色味が、その優雅なテイストに実によくマッチしている。スーツを着て寛ぐ──ドレスの新時代を象徴するクリエーションといえよう。

※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2020年12月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)