21世紀最大の混乱に晒されたこの1年、服飾業界と本誌は新しいスーツのあり方を懸命に模索してきた。2020年のバックナンバーをもとにその軌跡を振り返りつつ、これからスーツはどこへ向かうのか、考えてみたい。
MEN’S EX4月号で注目したのは……
装い多様化の時代にこそ見直すべき“基本”のスーツ
3月号ではスーツの新たな側面に注目した本誌だったが、多様化を受け入れるからこそ、ブレない芯も必要である。そんなメッセージを込めて、4月号では”基本”に立ち返る企画を組んだ。名門のスタイルが最も色濃く反映された基本の一着を”ストロング・ベーシック”と名付け、その価値を改めて分析。微差を吟味するほどに見えてくる奥深さをお伝えした。
また、伝統素材であるモヘア混スーツが今年増えていたことにも着目。その中でもウェイトのあるものを、長い時季にわたって活用できる”通年モヘア”として提案した。基本と応用をともに知り、この春夏もスーツを楽しもう。そう提言した矢先、感染症の脅威が一気に本格化したのであった…。

注目TOPIC
紺無地にこそ、ブランドの本質が現れる
一見同じようでありながら、カッティングやディテール、仕立ての手法などがブランドによって様々に異なるスーツ。その微差を徹底解説した。写真は左から麻布テーラー、ブルックス ブラザーズ、イザイアのもの。