「相手を思うことが装いにも表れるんですね」-ジェレミーさん
森岡さん まるでスーツを着る機会がないそうですね。
ジェレミーさん スーツは、せいぜい年5回程度。冠婚葬祭や、たまにあるセレモニーなどで。
森岡さん シェアオフィスなども活用して自由な環境で働くジェレミーさんだけに、年5回あるだけでも驚きです。でも、投資ファンド時代はスーツを着用していたのでは?
ジェレミーさん 嫌々着ていました(笑)。僕にとってスーツは、強制されて着るユニフォームの印象が強いです。シリコンバレーでは、スーツ=前時代的と捉えている人も多かったですし。
森岡さん 日本のサラリーマンの方々を見ていると、確かにその印象を受けることも多々あります。そう見える最大の理由は、カッコ良く見えないからです。多くの人は既製品をそのまま着るので、正しくフィットしていません。それが、”着せられている”という印象を生む大きな要因です。
ジェレミーさん まずは基本が大切だということは、理解しています。ただ、仕事柄その他大勢に見られることは避けたいという思いがあります。だから、いわゆるビジネススーツの定番を着ることには抵抗があります。
森岡さん 私もおすすめしません。特に必要に迫られていない人に正統派のスーツをおすすめしても結局似合いませんし、ジェレミーさん自身の気持ちも上がらないと思いますから。
ジェレミーさん とはいえ、着慣れていないし知識もないから、どう差別化したら良いのかわかりません。下手に個性を出すと、的外れになりそうで。
森岡さん そこでおすすめなのが、このグリーンのダブルブレステッドです。
ジェレミーさん ダブルのスーツ自体今回初めて着ましたが、その上グリーンとは。ハンガーに掛かっているのを見て、正直僕には似合わないだろうと思っていました(笑)。でも、着てみると実にいいですね。これならいわゆるサラリーマン的な印象はありません。
森岡さん 年相応の手練感が演出出来る一方で、ダブルは昨今のビジネスシーンでも馴染んだ存在となっているので、いかにも変化球を狙った感じになりません。グリーンも、これだけ落ち着いていて、ブラウンに近いトーンなら遊びが利きすぎず、強めなストライプシャツとでも品良くまとまります。
ジェレミーさん 数日前に結婚式があったのですが、これを着て行きたかったです。
森岡さん 華やかな場に、華やかな装いをして出向くのもマナーのうち。その場合の装いは、招いて頂いたことへの感謝の印とも言えます。
ジェレミーさん 相手を想うからこその装いですね。スーツを着る機会は少ないですが、だからこそ印象に残りやすいもの。失礼のないように、こんな1着を持っておきたいと思うようになりました。
森岡さん 実は、ここのオフィスから僕の家は近いので、困ったらいつでも呼んでください(笑)
ジェレミーさん そうなんですか! それはとても心強いです(笑)