正装に通ずる格調のディテール
由緒正しき、究極にクラシックで正統なコートを求めるなら、フルオーダーでそのディテールを実現するに限る。
03 AZABU TAILOR CREST
麻布テーラー クレストのチェスターコート

かつて正装で着られたチェスターコートは、生地はウールかカシミアで、シングルの比翼仕立て、上襟にビロードが付けられた仕様のものだった。写真はその典型的な一着だ。
由緒正しき一着を手に入れるなら、フルオーダーに限る。麻布テーラー クレストでは、格調高いコート作りに欠かせない、芯づくりと芯据えを重視する。
芯据えとは、身頃の生地と毛芯を馴染ませる工程。木綿の仕付け糸で、生地を外に追い出すようなハンドワークで表地に生地のあまりが出ないようにしつけ止めをしていく。雰囲気、立場、着用シーン、生地との相性など、一人一人の毛芯から作りあげた一着が放つオーラは他を圧倒するだろう。30万5000円〈オーダー価格〉(Y&M プレスルーム)
王道バルカラーの大人仕様 本流の洗練化
ゴム引きでバルカラーコートの本流を示す同ブランドだが、洗練を追求する大人にふさわしい生地による隠れた名品がこちら。
04 MACKINTOSH
マッキントッシュのバルカラーコート

バルカラーの永世定番であるゴム引き生地のコートを手がける同ブランドだが、こちらは柔らかく繊細なウールの風合いを生かし、芯地を排した一枚仕立てに仕上げている。よりドレッシーなタッチや、英国クラシック柄のガンクラブチェックにより、ゴム引きとはひと味違った大人の味わいを感じさせる。
フェミニンな佇まいになりがちなオーバーサイジングの一枚仕立てのコートを、ラグランスリーブやスラントした箱ポケットなど、巧みなデザインバランスにより程よく緩和。身幅や袖回りなど、やりすぎないオーバーサイズ感でシルエットを構築し、まるで布を一枚で羽織っているかのような軽やかさを味わえる。22万円(マッキントッシュ青山店)