
コンサバカジュアルは1700gの重量級!
“釣りはフナに始まりフナに終わる”と申しますが、コンサバ男子としましても、背広はフラノに始まりフラノに終わりたい。18のときに初めて買ったジャケットがネイビーフラノのブレザーで、それからサキソニーフラノのスーツ、ミディアムウエイトのグレーフラノスーツを経て、62にしてようやく辿り着いた目付560gの超ヘビー級フォックスグレーフランネルのドレープスーツ。はかりにかけたら目方1700g。これはグローバーオールのダッフルコートと同じ重量でした(笑)
ですが、これが着てみると目方がまったく気にならず軽くてソフトな着心地。それでいて、打ち込みのしっかりしたコシがある生地なので、今後10年はヘタらないのでは。
この秋冬、ボクはダブル6ボタン下1つ掛けのこのスーツにウールタッタソールのシングルのオッドベストを合わせようと思う。ダブルブレストのスーツにオッドベストはあまり見かけないが、なかなかいいものである。これに首元にシルクのストールをあしらえば、都会の冬ならコートいらずだ。それでも寒かったらコットンギャバジンのバルカラーコートを羽織ればいい。足元は、こげ茶のスエード靴。今年ブランドデビューを果たした『アーチケリー』で注文したスエードのホールカットが出来上がってくるはずだ。これが6アイレットでアメリカンヴィンテージシューズを彷彿させるデザインと作りでじつに良い。
スーツは英国調ドレープスーツだけど、アメリカンテイストの足元に合わせてシャツはブルックス ブラザーズのポロカラーとするか。シャツも〟ポロカラーに始まりポロカラーに終わる„ということかな。
コロナ禍の影響で急速にリモートワークが推し進められ、スーツ姿のビジネスマンがめっきり減った今、オンでのカジュアル化が注目されている。
確かにジャージー素材のジャケットにカットソーのインナー、ドローコード付きのパンツは楽ちんかもしれないけど、そんな楽な格好は老後になればいくらでもできる。でも、重量級のグレーフランネルをきるなら現役の今だ。アステアのように飛んだり跳ねたり軽やかに!リモートワーク中は重厚に大人しく……。
飲んだ帰り、貴重品が入ったトートバッグを電車内に忘れた。後日、バッグは手元に戻ってきたが貴重品はなし。カミさんから「バッグはたすき掛け。財布はこれでいい」と渡された財布は宝●社の雑誌の付録モノ(笑)。これが周りから妙にウケる。ま、いっか。
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2020年11月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)