今だからこそ大事にしたい、勝負の日のスーツスタイル【Vol.4/ランバン コレクション編】
ビジネススタイルのカジュアル化に加え、このコロナ禍により、最近スーツを着る機会が減ったという人もいるだろう。しかし男の装いを美しく見せたいのなら、スーツに勝るものはない。これからの時代のスーツはオン・オフとも、ここぞという場面で着用する“勝負服”としての役割をますます担ってくるとMEN’S EXは考える。
この連載では、スタイリスト・森岡弘さんと、本誌でもお馴染みの俳優・前川泰之さんが、人気ブランド及びショップの新作をお題に、“勝負の日”に相応しいスタイルを考察。第4弾の今回は、フレンチスーツの真髄ともいえるランバン コレクションの一着をご紹介しよう。
パリのエレガンス香る
モダンな色柄とシルエット

前川イギリスともイタリアともどこか違う、独特の空気感を纏ったスーツですね。
森岡シェイプを控えたほどよくゆったりしたシルエットや、やや広めで曲線を描くようにボタンに流れていくラペルなど、とてもフランスらしいデザインだと思います。ちなみにこのジャケットはセンターにシームのない贅沢な一枚仕立て。ここも独特のエレガンスに貢献していますね。
前川このネイビーの色合いも気に入りました。
森岡イタリアのチェルッティ社の生地です。よく見るとうっすらとグリーンのチェックが入ってるんです。だから普通のネイビーとは異なる深みと、ほんのり華やぎを感じさせる色合いに。正統からわざとずらしている感じが大人の余裕を感じさせますよね。ちなみにスーパー130’S素材を使用していますから上品な光沢があり、肌ざわりもとてもしなやか。
前川ストライプシャツと光沢の効いたプリントタイで、ブルー系でまとめたVゾーンも素敵です。スーツの繊細なネイビーと相まって、なんというかパリの風が薫るというか……(笑)。
森岡その表現、いいですね。たしかにパリっぽいスタイリングになっているかもしれません。これ見よがしなところはないのに、とてもエレガンスを感じさせますから。スーツスタイルは長らく、イギリスとイタリアの二択みたいなところがありましたが、改めてフランスのエスプリに注目すると周囲を出し抜けますよ。とくにこのスーツは適度な遊びと華やかさ、そして現代的な軽さを併せ持っていますので、仕事でも遊びでも十分“勝負の日”に使えるでしょう。

今季からランバン コレクションで展開する新モデル「ニューモードスーツ」。毛芯を極力薄くし、ウエストシェイプもややゆったりめとしたシングル2Bジャケットに、2プリーツのアウトタックのパンツを組み合わせた。軽い着用感と今らしいリラックス感を備えつつ、しっかりランバンらしいエレガンスを感じさせるモデルだ。生地は伊チェルッティ社の“PRESTIGE 130’S”を使用。
お問い合わせ先
ジョイックスコーポレーション
TEL:03-5213-2532
mens.lanvin-collection.com
※表示価格は税抜き
撮影=池田佳史(BOIL) スタイリング=森岡 弘 ヘアメイク=古口精樹 文=吉田 巌(十万馬力)