今だからこそ大事にしたい、勝負の日のスーツスタイル【Vol.2/麻布テーラー編】
ビジネススタイルのカジュアル化に加え、このコロナ禍により、最近スーツを着る機会が減ったという人もいるだろう。しかし男の装いを美しく見せたいのなら、スーツに勝るものはない。これからの時代のスーツはオン・オフとも、ここぞという場面で着用する“勝負服”としての役割をますます担ってくるとMEN’S EXは考える。
この連載では、スタイリスト・森岡 弘さんと、本誌でもお馴染みの俳優・前川泰之さんが、人気ブランド及びショップの新作をお題に、“勝負の日”に相応しいスタイルを考察。第2弾の今回は手間ひまかけたこだわりの仕立てとトレンドをおさえた絶妙な提案で昨今のオーダーブームを牽引する麻布テーラーのスーツをご紹介しよう。
商談やプレゼンでデキる男を主張する
モダンブリティッシュな3ピース

森岡オーダースーツをぐっと身近なものにしてくれた麻布テーラー。自分好みの生地やスタイルで体型にぴったりフィットした一着を仕立てられるのはもちろん、今シーズンの麻布テーラーは別注生地にも注目ですね。。
前川このスーツの生地はパッと見はネイビー無地に見えたんですが、じつは同系色でグレンチェック柄が入った技ありの生地ですね。
森岡これはロロ・ピアーナへの別注生地です。ネイビーのスリーピースは堅苦しい印象になりがちですが、さりげない柄や少し明るめの色調によりモダンで軽快な雰囲気に装えます。ちょっと遊び心のある生地ですが、自己表現という意味では今はこうした生地もありでは? チェンジポケットやラペル付きのベストなどトレンドの英国調ディテールを取り入れているのも魅力で、大切な商談やプレゼンのある日、これを着て現れたら「やるな」と思われますよ。
前川そういう勝負の日以外、たとえばプライベートでもこのスーツは着られますか?
森岡たとえばベストを抜いて、中をタートルとすれば奥様とお洒落なレストランで記念日ディナー、なんてシーンにも使えますよ。
前川なるほど。それもある意味で勝負の日ですもんね(笑)。俄然チャレンジしたくなりました。

型紙はヨーロピアンクラシックをコンセプトとした「コンチネンタルモデル」。ハリコシに優れた本バス芯をふんだんに用いた「サルトリア」仕立てと相まって、立体的で美しいシルエットを叶えている。
名門ロロ・ピアーナに別注したネイビーベースのチェック生地に加え、チェンジポケット、襟付きベスト、2インプリーツ、時計ポケットといった旬のディテールがブリティッシュなムードを盛り上げるのもいい。
適度にワイドなラペル幅ややや低めに設定されたウエストシェイプにより大人の落ち着きや威厳をしっかり感じさせるのも魅力だ。