かつての牽引役はメルセデス・ベンツ SLだったが

メルセデス・ベンツ SLのルーツは1950年代の300SLにまで遡る。ガルウイングのクーペモデルが有名だが、カブリオレもあった。

2代目のW113、いわゆるタテ目のSLは、ハードトップの中央が凹んだデザインとなっており、通称“パゴダルーフ”とも呼ばれ現在も高い人気を誇る。

3代目のR107は、ミディアムクラスW114のシャシーを転用し、Sクラス用の直6やV8エンジンを搭載。着脱可能なハードトップとソフトトップの両方を備えたモデルだ。派生車としてホイールベースを延伸した4シータークーペのSLCも存在した。日本ではウエスタン自動車(のちのヤナセ)によって輸入販売され、堅牢なつくりもあって現在も程度のよいものが見つかる。

1989年には4代目のR129が登場。バブル期であったこともあいまって日本でも高い人気を誇った。6リッターV12エンジンを搭載した600SLや7.3リッターV12のSL73 AMGなどのモンスターが誕生したのもこの頃だ。

2001年には5代目のR230が登場。このモデルよりソフトトップを廃止し、電動格納式ハードトップになった。そして2012年には現行モデルとなる6代目R231が登場している。メルセデスの量産車初のオールアルミモノコックボディが特徴だ。