ラグジュアリーを極めたBMW8シリーズ グラン クーペ京都エディションの魅力とは

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BMWサムネイル

“ラグジュアリー”が世の中に溢れている中で、“真のラグジュアリー”を纏った1台が誕生した。それが「BMW8シリーズ グラン クーペ京都エディション」だ。BMWにおける8シリーズは、これまで最上位クラスに位置づけられてきた7シリーズのさらに上を行く、ラグジュアリーカーの極致。

スポーティさを備えた走行性能は勿論のこと、その官能的で流麗なフォルムと内外装へのこだわりは、まさにオンリーワンな存在だ。今回、その8シリーズと日本の伝統技術を融合させた「BMWと日本の名匠プロジェクト」がスタートした。

その第1弾として発表された「BMW8シリーズ グラン クーペ京都エディション」では、センターコンソール部分のインテリアに漆塗りの蒔絵螺鈿細工まきえらでんを採用。手掛けたのは京都在住の日本を代表する漆芸家、岡田紫峰氏。「中国や日本で古くから用いられてきた漆は、実はヨーロッパとも縁が深いのです」と岡田氏は語る。

「駆けぬける歓び」をテーマにした蒔絵螺鈿細工。流れる風のようなデザインは「束熨斗(たばねのし)」の意匠を元にしたもの。岡田紫峰氏の作品は明治神宮やボストン美術館など、国内外の美術館に収蔵される。

「漆は16世紀にヨーロッパに渡りました。当時、西洋においては黒を表現できる天然塗料はなく、光沢のある漆黒を表現できる漆は、貴族達の間で非常に重宝されたのです」(岡田氏)。

やがて、漆の黒からインスパイアされて、西洋で生まれたのが黒色のラッカー塗料。そして、黒色ラッカーはピアノの塗料として用いられるようになり、ピアノ・ブラックと呼ばれるようになる。ピアノ・ブラックは現在、BMWでもインテリア・トリムに用いられている。

トリムと同じデザインを施した蒔絵螺鈿細工の専用キーとトレイもあり、この1台を所有することで、日常的に日本の伝統美を身近に感じることができる。

「BMWは天然素材にこだわり、最上車種のシートは必ず最高品質のレザーが用いられます。ただし、コンソール部分だけは、天然素材を使用することが難しかったのです。今回のプロジェクトを始めるにあたり、ここにも天然素材を使いたいという思いがありました。そこで注目したのがピアノ・ブラックの元になった漆でした」とBMWジャパンのプロダクト マネージャーの御舘康成氏は解説する。

「ただ日本的な要素を加えるといったコラボで終わらせたくはありませんでした。あくまでも、BMWが本来もっているドイツの質実剛健なクラフツマンシップを大切に守りつつ、日本の伝統美である漆を融合させたいというのが今回のプロジェクトの狙いです。」(御舘氏)

クルマのコンソールに漆を塗る――。50年以上にわたり作品を作り続け、シャネルをはじめとしたハイブランドともコラボするなど、常に新しいことを追求してきた漆芸家の岡田氏にとっても今回のプロジェクトは初めての試みだった。

「これまでもそうですが、初めてのことに挑戦し、新しいものを創造することが好きなのです。クルマのような最先端のものと、長い歴史を誇る漆芸をどのように組み合わせるか、私自身の好奇心がうずきました。」と岡田氏。

インテリア素材には、南ドイツの耕地で育てられた最上級の牛革を丹念に鞣した希少性の高いレザー・メリノを採用。

漆黒を湛えつつ、触ると温かみを感じさせるのが漆の魅力である。最先端の技術を詰めこんだマシンの中に日本の美意識と緻密な技術が宿った空間は、心地よさに溢れたプライベート美術館のようでもある。その美しい仕上がりには岡田氏も自信を持っているという。

約400年もの昔、日本から西洋に渡った漆の技術が、今、再び日独の架け橋に――。BMWの歴史を振り返ってみても初めてという、インテリアをフルカスタマイズした特別限定車。現代最高峰の職人技術が融合した唯一無二の美しさは、ラグジュアリーと呼ぶに相応しいまさに究極の1台なのだ。

車内に置かれるのは老舗西陣織メーカーの加納幸が製作した、アルカンターラを細い線状に裁断し、西陣織の伝統技術で織り込んだクッション。

希少性の高い自分だけの1台を求める顧客向けに最高品質の素材を使ってフルカスタマイズするサービス「BMW Individual」。この限定車では工場生産ラインオフ後に職人が手作業でステアリング・コラムやフロント・シート台座までレザーで覆った「BMW Individual Manufaktur」加工を施している。

BMW8シリーズグランクーペ京都エディションは3台限定の生産。BMW GROUP TERRACE(東京都千代田区丸の内1-9-2)で展示されるほか、9月19日から京都で開催されるKYOTOGRAPHIE2020でも展示予定だ。最高出力390kW。4.4LのV8気筒BMWツインパワー・ターボ・ガソリン・エンジンを搭載。2150万円

2025

VOL.345

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