新型コロナウイルス感染拡大の影響は?
まだ入社9ヶ月ですが、その間、色々ありました。 会社では昨年12月にインドの宇宙センターから日本初の高精細小型SAR衛星「イザナギ」を打ち上げ、運用が始まり、それに続いてこの年末に改良された2号機「イザナミ」を打ち上げるべく、開発・製作が進んでいます。 また、4月に新型コロナウイルス感染拡大の影響で緊急事態宣言が出され、ここ福岡では解除されてから約1ヶ月半が経ちました。
緊急事態宣言中は衛星運用・開発は必要最低限のスケジュール、そしてぎりぎりまで必要最小限の人数に減らし、それ以外の社員は自宅勤務。解除後も新しい生活様式に合わせてリモート・ローテーション勤務を続け、開発の現場である工場への出勤は公共交通機関を使用しない、など感染拡大の予防に努めています。

急に始まったこの体制に当初は慣れないこともありましたが、もともとオフィスと工場はオンラインで常時繋がっていましたし、関係各所の皆様のご協力のおかげで、無事に衛星運用も行え、そして2号機も開発に遅れはなく、年末の打ち上げに向けて順調に進んでおり、本当にありがたいことです。そして、これからもどんな状況でも衛星運用や開発が続けられるように、新しい時代のための新しい方法を模索しながら備えています。
今回は、現在の状況について書かせていただきたいと思います。
衛星1号機「イザナギ」はいま?
弊社の衛星1号機「イザナギ」は、はい、おかげさまで変わらず元気です。 宇宙で動き始めて半年が経ちました。早いものです。しみじみ。毎日、規則正しく計算通りに安定して地球の周りを回っています。 実は、QPS研究所では4月7日の緊急事態宣言が出されるほぼ直前、4月3日にイザナギの「初期運用レポート」なるものを公表していました。 連載1回目の記事でも書かせていただいたのですが、「イザナギ」は弊社が目指す36機の小型SAR衛星による準リアルタイムデータ提供サービス構築(このサービスが実現すれば、簡単に言うと約10分ごとに更新されるほぼリアルタイムマップが見られるように!)のための初号機です。 QPS研究所の「初」のSAR衛星なので、技術を宇宙で実証するという大切な役割を担っていました。 そして、3ヶ月半ほどかけて運用を行った結果、打ち上げ前に「ここがとにかく大きな挑戦。本当に宇宙で無事に開くのか?」と言われていたアンテナ展開、続いてデータの高速ダウンリンク、レーダーの送信など、小型のSAR衛星実現の重要なポイントはクリアでき、これでイザナギは初期運用の段階でSAR衛星機能の約95%を実現できたことになるんです。