

『Study with M.E.』第8講座は、スーツのジャケットに必ずあるラペル周りの「穴」についてその名称と意味をご紹介。
ここ最近、街中を歩いていると早くもセールが始まっている店舗もチラホラ。「セールは冒険の場所」とファッション業界のある偉人が言ったように、着たことのないジャケットやスーツを購入する機会が増える季節がやってきている。
しかし、セール会場の多くは、いつもより混み合いじっくりと購入を検討する時間が少なかったりするのも事実。そこで、これさえ覚えていれば、いいスーツかどうかを見極めることのできる実はなお話をご紹介しよう。
ドレスな男の常識学【Study with M.E.#8】いいスーツか見極めるには、フラワーホールを見てみよう。
前回の「スーツのディテール選手権」では出題できなかったラペル周りのアレ。ご存知でしょうか?
そう、ラペルについた「フラワーホール」です。もともとは襟を立てて着る際に使用したボタン穴の名残です。後にブートニエールと呼ばれる飾り花を挿したことから、フラワーホールと呼ばれるように。
「返り穴」、「ラペルホール」とも呼ばれ、現在は、本物の花だけでなく、花をモチーフにしたアクセサリーをつける場合もある。
ちなみに既製のスーツの場合は、ミシンでかがられたものがほとんどですが、オーダーメイドのスーツの中には、職人の手でかがられた味のある雰囲気のものも。縫製の技術力が如実に表れることから、上質なスーツを見分けるための判断材料にもなるディテールです。
最近では、ハンドとマシンを使い分けるスーツブランドも多く、フラワーホールの立体感を見ると、ハンドメイドの技術や、マシンを主に使っているかなどをある程度予想することができます。

『オトナの本格スーツ検定』(世界文化社刊)を再構成
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