
#おうち時間の機会に、過去に買って捨てられなかった洋服の整理をしている人も多いのでは? ビームスのクリエイティブディレクター、中村達也さんもその一人だ。「ベーシックな服もアップデートされていくので、何十年も着続けられる服は意外と少ない」という中村さんだが、自身のファッション史の中で思い出深く、捨てられずに保管してあるアイテムも結構あるのだとか。そんな貴重なお宝服の中から、ウンチク満載なアイテムを連載形式で紹介する新連載「中村アーカイブ」がスタート!
【中村アーカイブ】 vol.1 / 「JCPenney」の Fox Shirt

「1983年頃に、代官山のハリウッドランチマーケットで購入したポロシャツです。当時は、ワンポイントの入ったポロシャツがちょっとしたトレンドでしたが、その代表格であるフレンチラコステは日本製のライセンスのラコステがあったことで並行輸入のものしかなく、品薄で値段も高く、地方から出て来た普通の大学生が簡単に買えるものではありませんでした。
そんな時に見つけたのが、このキツネのマークのポロシャツ。キツネの色もラコステと同じで洒落が効いていて、アメリカ製という事もあり、フレンチラコステが買えない代わりに買ったという負い目もなく、当時とても気に入ってリーバイス501や505と合わせて着ていました。
1980年代はフレンチラコステ、アイゾット(アメリカ製のラコステ)、虎のマークのLe Tigre(ル ティグレ)など色々なブランドがありましたが、ちょっと愛らしいキツネのマークにとても惹かれました(笑)。因みに、J.C.Penneyはアメリカの老舗のチェーンストア。通販でも有名な会社で、1960年代の古いカタログはファッション業界のアーカイブ資料としても使われているということをビームス入社後に知りました。
さすがに経年変化もあり、今は着られませんが、捨てられない永久アーカイブとして保管してあります」