手は口ほどにモノを言う
ネイビースーツは、年齢を問わないビジネスシーンにおける永遠の定番スタイルである。それゆえ、着こなしで洒落感は大きく左右される。ソリッドな無地のネイビースーツは、清涼感があって若々しい印象だ。同じブルー系のストライプシャツとの組み合わせで、こなれ感は増す。となれば、タイもワントーンにしたくなるが、敢えて対照色のエンジの大柄を選べば、落ち着きと洒脱さを備えた大人の装いになる。
若さを保ちつつも、うまく年を重ねた大人のコーディネートを締めくくるのは、重厚なゴールドの腕時計。ストラップは、アズーロ エ マローネのセオリーに則り、ブラウンがベストチョイスだろう。そしてこの「モンブラン ヘリテイジ オートマティック」のように上質なヴィンテージ感を湛えていれば、大人な雰囲気がグッと高まる。
スモーキーなキャメルカラーのダイヤルは、他にはない色合いがシックでお洒落。外周を粒状のグレイン仕上げとしたことで、鏡面仕上げの植字インデックスが浮き立ち、エレガントな印象がより増している。
日付表示を持たないシンプルな3針というのも時計をよく知るツウ好みで、全体のたたずまいは本物のアンティークウォッチのそれ。そして40㎜という絶妙なサイズ感で、モダナイズされてバランスも良い。年を重ねるほどに、より似合ってくる1本。無地のネイビースーツの手元に、落ち着いたラグジュアリー感を添えてくれる。

※表示価格は税抜き
[MEN’S EX2020年5月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)