「明るくクリーン、そして景色の良さが私の好きな執務室の条件です」と語るのは、昨年8月にBMWジャパンの社長に新たに就任したクリスチャン・ヴィードマン氏。その言葉の通り、足を一歩踏み入れると2方向に配した大きなガラス窓から日が差し込み、躍動感漲る東京の街並みに出迎えられる。
「目下には東京駅があり、新幹線の往来が眺められます。日本の新幹線は正確でスムース、まさに日本のテクノロジーの象徴。見ていると刺激を受けるのです」。
ヴィードマンさんの仕事の相棒
ペン、時計、メガネの機能美

執務室は黒を基調としたシックなインテリアがモダンに感じるが、すぐにヴィードマン氏はこう続けた。
「実は、この部屋には好きではない部分も。机も椅子も本当は明るい色にしたい。部屋の明るさはポジティブなコミュニケーションを促しますから。それと現在は壁で仕切られた完全な個室ですが、壁をなくすかせめてガラス張りにして視覚的にオープンにしたい。日本はコミュニケーションが静かです。もっとお互いを知って自信や勇気を持ってコミュニケーションを取っていけるようにならないと。それがより早い決断や行動にも繋がるのです。私の耳にはいいことだけでなく良くないことまで遠慮なく届けて欲しい。だから入口は常に開放しています」。
室内には、自社製の車やバイクと日本の景色が融合したビジュアルがいくつも飾られている。「元々は車両だけのビジュアルでしたが、日本の生活や景色のなかでどうBMWが映るのか、そういうイマジネーションを与えてくれるものへと変えました」。
一見整頓された部屋ながら、ヴィードマン氏の日本への思いや仕事へのパッションが次々と視界に飛び込んでくる空間だ。