金沢駅から酒蔵へ直行。旨い日本酒への期待に胸が膨らむ

そうこうしているうちに終点・金沢着。はくたか号だったので、3時間ちょっと。前回の北陸旅行は和倉温泉に滞在し、金沢には帰りに寄った程度。あれから、15年以上。すっかり変わった金沢駅のフォトジェニックさに驚く。旅行記事でもトップを飾るほど特徴的な建築ゆえ、読者諸賢もご存知だろう。

さっそく、タクシーで福光屋の本社へと向かう。ここは酒蔵があるだけでなく、「SAKE SHOP 福光屋 金沢店」も併設されている金沢名所。しっとりとしたいい風情だ。壽蔵杜氏の板谷和彦さんが直々に案内してくださるという。なんと光栄なことか。

酒蔵の入り口にある仕込み水は「百年水」。霊峰白山の麓に降った雨が貝殻層をくぐり抜けゆっくりと染みこみ濾過される。実にその期間は100年。酒造りに必要なミネラルが溶け込み、いい塩梅の仕込水になるというわけだ。この水は広く一般にも開放されており、近所の人はペットボトルなど片手に汲みに来る。この水でコーヒーやお茶を淹れてもうまいのだそう。