お洒落巧者へのリサーチを基にいま買うべき服とその装い方を多彩に提案してきた今特集だが、トレンド感あるスタイルを目指すエグゼクティブに紹介したい春夏アイテムはまだまだ多数存在する。中でもとりわけM.E.読者に刺さりそうなアイテムを小誌ファッション担当の面々がご報告。なるほど!と膝を打つ素材使いや、新しい!と驚きのあるカタチなど、是非、お楽しみ下さい。
Men’s EX EDITORS
メンズ・エグゼクティブ編集部
小誌ファッション担当と編集長らが今季の新作を徹底リサーチ! 部員がそれぞれ、オススメをご提案します。

金森 今特集ではお洒落巧者が春の立ち上がりの今、着たい服や装いを取材し、新鮮な提案を行ってきたわけだけれど……それとは別にあれだけ春夏の新作展示会を巡ったんだから、まだまだ紹介したいネタは当然あるよね?
関口 もちろんです。リサーチしている中で個人的にビビッときたアイテムはいっぱいあります。
金森 それをここでフォローしていこうよ。みんな気合を入れて推しのアイテムを教えてちょうだい。
樗澤 じゃぁ若手のボクから行っていいですか。個人的に一番ときめいたのはなんといっても“ウールの黒シアサッカー”ですね。
橋本 シアサッカーといえば、やっぱり青白ストライプがトラッドの定番だと思うんだけれど。
樗澤 アメトラ好きの橋本さんはそう言うと思いました(笑)。ボクは逆に、コスプレっぽくなるから青白サッカーは苦手で……。その点黒だとぐっとモダンな雰囲気。あと定番のコットン素材だとカジュアル感が強いけれど、ウールだからドレス感もキープされ、着心地が柔らかなのもいいんですよ。
平澤 ウールの黒シアサッカー、私も気になったなぁ。黒のスーツやセットアップを使った全身モノトーンな流行りのコーデともリンクしていいわよね。
関口 オリーブグリーンのニットやポロをインに着れば、こちらで提案した“ネロ エ ヴェルデ”なスタイルも簡単に完成しますね。
「ウール素材、色は黒。それだけでサッカーはモダンに豹変する」(樗澤)

生地はウールに僅かにポリウレタンを混紡したシアサッカー。サッカー地ならではの表面のポコポコした畝により、黒のスーツを日常的に着用することに抵抗ある人も着やすいだろう。8万9000円 (オーダー価格:新宿髙島屋 オム・メゾン6階 タカシマヤ スタイルオーダー サロン)
右: BELVEST / ベルヴェスト
こちらのシアサッカージャケットは黒ベースにピンストライプ入りで、よりシックな雰囲気で着用可能。生地はウール99%+ポリウレタン1%。22万1000円(エストネーション)
金森 黒+緑はたしかに今季要注目の色合わせだよね。樗澤がアット ヴァンヌッチの代表・加賀氏を取材時、たまたまネロ エ ヴェルデだったと興奮気味に報告してきたわ。お洒落巧者の方々は既に実践してらっしゃるんだなぁ。で、その関口の推しのアイテムは?
関口 まずは麻布テーラーの“ローブジャケット”を挙げたいです。腰に無造作に巻いたベルトがガウンのようなリラックスしたムードを作り、どこか春らしい軽やかさも演出できる優秀作です。
内田 ベルテッドのデザインって、最近のコートでもトレンド。こういう柔らかな生地だと綺麗なドレープが楽しめるのがいいのよね。
「ジャケットなのにローブ的やすらぎが加味されている」(関口)

タイロッケンコートをジャケットに落とし込んだようなデザイン。腰のベルトに加え、ラグラン袖ならではの丸いショルダーラインがリラックス感とエレガンスを演出する。比翼のフロント、袖口はターンナップと、ディテールも独特。シルク混のサマーカシミアのしなやかな生地も優雅な雰囲気に貢献。29万4000円〈オーダー価格〉(麻布テーラークレスト)