「美食家、スイーツ男子、健康マニア。兄貴は奥深い!」
(北島さん)
裸生活の反動からか スーツやジャケットを満喫中
丸山 現役時代には、習慣化していたことはありましたか?
北島 ルーティーンは特に作りませんでした。五輪は4年ごとだから準備期間が長い。記録のアップダウンのダウンの状態をいかに小さくして、アップの状態にするかという、その持っていき方は得意でした。
丸山 いつから体を作るとか、スケジュールは自然と決まってくるよね。
北島 怪我や体調も考えた上でプランを立てる。いつまでにこうなるという目標は常に立てていました。
丸山 長いといえばアメリカでの連戦中は移動距離が長かったなあ。日曜の試合後に次の会場に向けて出発して、早ければ月曜から練習を始めるけれど、到着が火曜日になることも。
北島 時差もあるから大変ですよね。移動がもはやルーティーン。
丸山 だから、泊まるのはいつも決まったホテルチェーン。部屋のレイアウトがどこも同じだから、目をつぶっていても照明のスイッチがわかるの。遠征先での過ごし方は?
北島 僕は海外でも普段通り。決められたものを食べて、眠くなったら寝ていました。
丸山 特別なことをしないのも習慣といえるよね。シェフは帯同?
北島 僕の時代は自炊だったので、レトルトのごはんを持参していました。
丸山 全英オープンのときは僕もそう。会場近くにレストランがないからスーツケース一杯に日本食詰めて行ったな。そういえば、習慣というか趣味というか、服好きでもあるよね?
北島 いろんなテイストのファッションを試してきました。
丸山 裸商売の反動から(笑)。
北島 特に多いのはストリート系ファッション。トレーニングでは今でもスポーツウェアを着ますが。
丸山 出た、ジャージが世界一似合う男! 僕は所ジョージさんのような、いつまでもアメカジが似合う人を目指している。ベーシックだけど少しやんちゃな部分があるような。そもそも我々は何をやっても許される道に入っちゃったと思わない?
北島 う~ん?(笑)
丸山 銀座の有名店でもデニムで入れちゃう。そこは顔が売れているぶん、ちょっとした特権かなと思う(笑)。もちろん、大事な約束がある日はきちんとした格好をしますよ。
北島 僕も最近スーツやジャケットを着る機会が増えました。このジャケットにはあのパンツが似合うとか、情報を仕入れるのは楽しい。
丸山 そもそも水泳選手は、肩幅があるから何でも似合うよね。

北島 体型維持は僕らアスリートには大事なことです。
丸山 僕ら?
北島 大事じゃないですか。
丸山 まあまあ(笑)。服とか車とか、持ち物には個性が出るよね。
北島 スポーツ以外にもいろんな興味があるから、オフも楽しめる。オンは気が張っているから、オフでいかに緩めるかは大切ですよね。だからアスリートって、オン・オフの切り替えは得意だと思います。
丸山 間違いない。食に関してこだわりは? かなり美食家だよね。
北島 食べたことがないものは食べてみたい。でも丸山さんこそ美食家じゃないですか。健康マニアでもあるし。
丸山 流行りの食やサプリは押さえています。特に健康系は任せてよ。
北島 現役時代はサプリとは無縁でしたけれど、今は酒を飲むからか何かと勧められますね。
丸山 僕は空気以外の不純物は体に入れない主義。
北島 徹底してる! そしてスイーツ男子でもありますよね。
丸山 美味しいと評判のお菓子は全て試します。ただ、スイーツ好きなことはオープンにしていない。好きなものだけ食べていたいから。
北島 わかります。
丸山 我々B型だから。グルメリポーターのような器用なコメントはできません(笑)。
[MEN’S EX 2020年3月号の記事を再構成]
撮影/筒井義昭 スタイリング/松純〈丸山さん〉、櫻井賢之〈北島さん〉 ヘアメイク/多田亜樹博〈北島さん〉 文/間中美希子