講義の内容はかなり本格的!

まずはルビーの色や純度、外観を高める「処理方法」とその歴史、そして具体的な手法についての解説を受ける。実はルビーの処理は先史時代から行われており、熱処理の方法も9世紀には発明されていたそうだ。さらに、近年行われているガラス充填処理といった処理方法や合成ルビー(主に工業用に時計のムーブメントのパーツなどに使用される)製造法など、専門用語・専門的な内容が続く。

合間には異なる処理を施したルビー、合成ルビーをルーペで見比べるなど、実践も。確かに説明を受けたうえで見てみると、それぞれのルビーで見分けるポイントがあり、いっぱしの宝石鑑定士になった気分だ。

その見方、楽しみ方、鑑賞のポイントを知れば知るほど、宝石は実に奥が深いと感じる。「これだけ専門的な内容を学んだなら、バンコクで宝石の買い付けにもいけますね!」とオリヴィエ氏からお墨付きも。最後にはルビーに対する知識を深めた証として、修了書も授与された。

最新の処理・加工技術が生み出す人工的なルビーも勿論、美しい。その良さを知ったうえで、美しさを極めた天然ルビーを見てみると、改めて自然界が生み出した「宝石」の希少性とその美しさが持つ意義を理解できたように思う。先人達の「美しいルビー」へのあくなき追求は現代にも脈々と受け継がれていると実感した。

なお、ヴァン クリーフ&アーペル銀座本店では3月半ばまでルビーにフォーカスしたハイジュエリーコレクションが一挙に集い、展示を見ることができる。中でも18カラットのタンザニア産のルビーをあしらったネックレスは必見。
ちなみに、本来タンザニア産のルビーはオレンジがかった色合いが特徴だが、今回展示に出されるルビーは美しい赤色をしている。天然ルビーでこれほどの大きさで、透明感と発色を持っているルビーは珍しいそうだ。同行者にそんな話をさりげなくしてみると、一目置かれるかもしれない。
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レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校の日本での講座に関しては以下を参照のこと
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写真・文/田上雅人(MEN’S EX編集部)