日本カー・オブ・ザ・イヤーの結果から、オリンピックイヤーの注目モデルを占う

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2019-2020 COTYの特徴・傾向を解説

1.軽自動車が3台も選出された

軽自動車に関しては「スモールモビリティ」という部門賞が設定されているが、10ベストに軽自動車が3台選ばれた事。正確に言えば、日産と三菱はそれぞれ別のクルマだが、開発を両社の合弁会社である「NMKV」が行うことで1台とカウントされている。日本が世界に誇れる独自の規格である軽自動車が堂々と「今年の10台」に選ばれたことは世界に発信する賞としても誇らしい。

2.SUV人気は変わらず高い

COTYを受賞したトヨタ・RAV4を始め、ジャガー・i-PACE、ジープ・ラングラーなど3台が10ベスト入り。さらに言えば、この3台は全くコンセプトも中身も大きく異なる。特にi-PACEはピュアEV(電気自動車)でありながらスポーティなアピアランスを併せ持った新時代のSUVテイストをまとっている。時代が変わっても本格的オフロード性能を持ちながら進化を続けてきたジープとはほぼ真逆の立ち位置にいる点も面白い。

ハード指向のオフローダーであるジープ ラングラーはエモーショナル部門を受賞。快適性を大きく向上させ、近代的になったことが高評価の理由だろう。価格は490万円〜。

3.クルマの本質を突き詰めた技術競争

トヨタの「TNGA」、ダイハツの「DNGA」、マツダの「スカイアクティブテクノロジー」に代表されるプラットフォームやパワートレーンなどを中心としてクルマの新世代技術がここ数年大きく進化している。10ベストには惜しくも選ばれなかったモデルの中にも革新とも言える技術を搭載したクルマも多い。

未来に実現するであろう「自動運転」の世界を考えるとこれらは非常に重要。「CASE」や「MaaS」などに代表される産業自体が転換点と言われる中「レベル2」の自動運転技術でも「プロパイロット2」を初搭載し高速道路の同一車線内ハンズオフを可能にした日産・スカイラインが優れた技術等に与えられる「イノベーション部門賞」を受賞するなど、注目点も多かった。

トヨタRAV4
マツダ3を抑えて1位に輝いたトヨタRAV4。価格、性能、デザインをバランス良く融合させ、トータル性能でライバルを圧倒した。価格は265万6500円〜。

4.RAV4とカローラのダブルノミネート

ここ2年間、ボルボが輸入車として2連覇するなど「国産車が不甲斐ない」などという声も聞かれたCOTYだが、昨年はトヨタがクラウンとカローラスポーツを2台エントリーし、結果としては得票が割れるなど戦略上としてはあまり褒められるものではなかった。

その点では今年度もRAV4とカローラセダン&ツーリングがエントリーされている点では同じだが、トヨタは早い時期からRAV4をCOTYの重要車種と位置づけてアピールを行ってきた。もちろんカローラを置き去りにしたわけではなく、注力したのがRAV4ということ。結果としてもカローラに投票した人が多いことからもこのクルマの出来の良さも評価されている。

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