衛星作りを支えた関係者が紹介され、18:30にインドからのライブ映像配信開始。インド宇宙センターの様子が映し出され、18:55の打ち上げに向けて説明が始まりました。 パブリックビューイングでは、集まってくださった参加者の皆様に向けて、今回のロケットの詳細や打ち上げ後に衛星が軌道に乗るまで何が起きるかなどをQPS研究所の創業者であり「衛星の大家」と呼ばれる八坂哲雄とエンジニアのエース福田大が解説しました。

さあ、打ち上げまであと5分。 日本のテレビ中継も入り始めました。もう、ここまできたら、遅れないでしょ、大丈夫でしょ、飛ぶでしょ、とドキドキ。 会場にはどんどん人が増えてきて、県庁ロビーには約500名の方々が。みんなでモニターを見つめ、じっと見守る中、10秒前からカウントダウンが始まりました。 10、9、8、・・・・・ロケット燃料1段目に点火。 3、2、1、、そして、18:55、ジャスト。

ぐわーっとモニターの光が強くなり、轟音とともにロケットが飛び立ちました。美しい青い空の中、すごい勢いで飛んでいくロケットをしばらく見た後、ライブ映像のモニターにはロケットの飛翔経路が映し出されました。

ロケットは3分後には宇宙空間と言われる高度100kmへ。早い! そして、4段型のロケットPSLVは2段目、3段目と次々と燃料点火と切り離しを繰り返し、15分後にはあっというまに高度570km へ。 インドの主衛星を切り離し、その後、打ち上げからちょうど17分後。QPS研究所の衛星が宇宙へ放たれました。 ロケットに搭載されているオンボードカメラの映像で、私たちの衛星が宇宙に出て行くのが映し出されたときには会場の熱気もマックスに!


地上で作られたものが、これで本当に人工衛星となった瞬間でした。
人工衛星は打ち上げて終わりじゃない、これがすべての始まりです
ロケットの打ち上げ時間も遅れることなく、恐ろしいくらい順調で完璧な打ち上げでした。でも、人工衛星は宇宙に行くのがゴールではありません。 衛星にはこれから宇宙から情報を送るミッションがあります。そのためには、まずは宇宙空間を周る衛星との初交信を成功させること、収納されていた受信アンテナを無事に展開させること、レーダーを動かしてデータをとること、ミッション達成までにはいくつものハードルがまだまだあります。 次回は初交信を成功させた裏側をご紹介させていただきます!
(つづく)
関連リンク:株式会社 QPS研究所
文/有吉由妃(QPS研究所) 写真/QPS研究所