突然の変更、キャンセルありき!? リスク満載のイベント準備
そんな何が起こるか分からないびっくり箱のような打ち上げですが、私たちの小型SAR衛星の初の打ち上げのために、福岡県からのお声がけで、打ち上げをみんなで見守る、参加自由のパブリックビューイングを行うことに。 福岡県庁1階ロビーに大型モニターを設置し、インドから送られてくるライブ映像を見ながらみんなで盛り上がって打ち上げを楽しむ素敵なイベントです。しかし、日時はいつ公表できるか分からず、当日に急に時間変更する可能性もある、そんなイベントなんて過去に経験がなく、何もかもが今までの常識で通用しないことばかり。 初めから「何かあってもすぐに対応できるように撤収が簡単。再設営OK!」「もしかしたら90分遅れるかも、いや、次の日になるかも」なんてことがある前提でイベントのセッティング、進行を考えることになりました。(90分というのは、衛星は90分で地球を一周するので、同じタイミングを考えるなら1周遅れで90分後になるとのこと。) 宇宙を相手にするってこういうことなんだと実感することになりました。
その日は突然にやってきた
打ち上げは12月前半になるようだ、という目安の日程は1ヶ月半くらい前にはもらっていたのですが、今まで何回も「はい、遅れますー」ということになっていたので、もう「また、どうせ遅れるんでしょう」とすっかりオオカミ少年の話のようになっていました。 しかし、11月はじめにはインド(ISRO)が「PSLV-C48は12月上旬に打ち上げます」と正式リリース。あれ、今までと様子が違うな、と。(それまでは目安の日程の公表さえもなかったわけなんですが。) そして、11月半ばも過ぎると、12月10~12日のどこかです、という確実そうな日程が知らされて、あれ、これはもしかして、まさか飛ぶの!?と。 そうこう言っているうちに、11月23日には工学博士でもあるCEOが2名のエンジニアと一緒に打ち上げ準備のためにインドの宇宙センターへ出発。(でも帰国日は不明) これは、今度こそ本当にこの日程で飛ぶかもしれないという雰囲気が漂ってきました。 でも、まだ安心はできません。こうやって決まってきても、いつずれるか分からないのがロケット打ち上げと聞いています。気持ちとしては、「90%は遅れる可能性もある」と注意深く準備を進めました。 インドへ行ったエンジニア達から毎日イザナギの最終調整やインドでの状況について連絡がやってくるようになり、インドの射場の様子が前より分かるように。
