
「アスリートにとって食は命、“美味しい”は癒しです」
(服部さん)
丸山進んでいるといえば、タイガー・ウッズのホワイトオムレツを思い出すなあ。アメリカツアー参戦当初は、選手が何を食べているのか、プレイヤーズラウンジでよく観察していたんです。そこでタイガーが白いオムレツを頼んでいました。
服部白身だけで作るオムレツね。
丸山そんなの見たことないじゃない? それから半年間毎日「ホワイトオムレツ・プリーズ」でした。
服部食べ続けたんですか(笑)。
丸山半年経つ頃には気分が悪くなりました(笑)。服部さんの現役時代にはこんなルーティーンはありましたか?
服部ホテルの部屋には多少のこだわりがありましたね。忘れものをしてもすぐ取りに行けるように会場から近いホテルで、探しものがすぐ見つかるコンパクトな部屋が好み。ラウンド中は1万歩以上も歩くから、せめて部屋では歩きたくないんです(笑)。
丸山そういう考え方、大好き(笑)。
服部壁の厚さにも多少こだわりが。隣室の話し声が聞こえたりすると、部屋のなかに誰かいる気がして……。
丸山まさか幽霊!?(笑)。僕は50平米ほどの広い部屋がモチベーションになりましたね。16歳で初めて試合に出たとき、大先輩の牧野 裕プロが宿泊先のスイートルームに招待してくださったんです。お茶していきなよって。
服部大人の仲間入りですね(笑)。
丸山ケーキもご馳走になって大感激。「僕もプロになったらこんな部屋に泊まるぞ!」と。今はそんな部屋で後輩に紅茶やケーキを振る舞って、牧野プロ流のおもてなしを受け継いでいます。最近はコンビニやファストフードで、食事を済ませる選手も多いそうですね。しかも一人きりで。
服部皆と一緒に過ごすというよりは、自分の時間を大切にする選手が増えましたよね。今はSNSがあるからすぐにコミュニケーションも取れますし。私は食べ歩きが元気の源。ツアー中は大抵、仲間やキャディーさんと連れ立ってごはんに行ってましたね。
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[MEN’S EX 2020年1・2月号の記事を再構成]
撮影/筒井義昭 スタイリング/松純〈丸山さん〉、川田真梨子〈服部さん〉 ヘアメイク/TOYO(bello) 文/間中美希子