フェンシング エペ 見延和靖選手インタビュー【“闘う男の服”を纏う、2020闘う男】

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東京オリンピック開催まで、いよいよ1年を切った。出場を目指し、凌ぎを削る日々が続くアスリート達。その闘いの人生の中で、どんな矜持を培ったのか。ビジネスマンにとって勝負をかけるときの戦闘服=スーツを纏い、闘いの美学を語ってもらった。

「強さを求めて 辿り着いたのは 美しさだった」
 フェンシング エぺ 見延和靖 選手

見延和靖選手

闘いという言葉など似合わぬ、爽やかで涼しい表情。しかし、サーベルを繰り出した瞬間、それは一変する。鋭く険しい眼光。それでいてシルエットは実に美しく、本来なら場違いなはずのスーツ姿が様になる。実はそれこそが、現在フェンシング・エペにおいて世界ランク1位に君臨する、見延選手の強さの真髄だ。

「強い選手は、動作も美しい。それは華麗な動きというわけではなく、基本に忠実な動きです。よく鏡でフォームの確認をしますが、基本に従うことが最も無駄がなく、理に適った攻撃ができます」

まるでスーツの様式美にも通じる話だが、世界を舞台に活躍するようになってから、その意識は実際の装いにおいても反映される。

「常に世界から見られているということを、やはり意識しています。フェンシングにおいてドレスコードがあるわけではありませんが、特に国を代表するような大会の場合は、服装に気を遣っています」

公の場ではスーツを着用するが、広い肩幅と発達した大円筋は既製品を受け付けない。しかも、時期により体型が変化するため、装いの気苦労は絶えない。そしてランキングもまた、オリンピックまでに変動する可能性がある。フェンシングのシーズンは秋冬で、11月から再び激しい闘いがはじまる。

フェンシング男子エペW杯
2018年にドイツで開催されたフェンシング男子エペW杯での一枚。右が見延選手。見延選手は個人戦で見事優勝を果たした。
Photo by Augusto BizziFIE


「エペは、ランキング100位以内の選手なら誰が勝ってもおかしくないほど実力が拮抗しており、勝ち続けることが難しいんです。東京オリンピックまで1年を切った今、これからが正念場です。ただし、大きな大会で勝つことが、僕の本当の目標ではありません。エペという種目は、現時点で絶対王者や伝説と呼ばれるような選手がいません。僕が目指すのはそれ。単に勝ち負けを追うのではなく、エペという種目の本質を見極め、伝説となること。それはつまり、自分自身との闘いなんです」

ライバルは常に鏡に映る自分だ。

見延選手

見延和靖(みのべ かずやす)

1987年福井県生まれ。高校でフェンシングをはじめ、2013年にはイタリアへ武者修行に。2016年のオリンピックで個人6位入賞を果たす。NEXUSホールディングス所属。


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