ファッションディレクター 森岡 弘の「自分デザイン考個学」 Vol.11
ビジネスにおける装いとは、自分の人となりを表すコミュニケーションツール。毎月森岡 弘さんと企業を訪れ、職場や立場にあう自分に相応しい装いを考察する。今月は、「ルンバ」や「ブラーバ」でお馴染み、「アイロボットジャパン」の社長を訪問。
話したのはこの2人

ファッションディレクター 森岡 弘さん
弊誌のビジネススタイルのご意見番。雑誌や広告のほか、政財界人のパーソナルスタイリングも多数手がける。
アイロボットジャパン合同会社
代表執行役員社長、アジア太平洋地域統括
挽野 元さん(52)
米国ヒューレット・パッカード取締役やボーズ社社長歴任後、2017年アイロボットジャパン設立時より社長に就任。
コーポレートカラーの粋-社長の装い-


同社のアジア地区の統括も担う挽野氏は、国内外の移動も多く、対面する相手も様々。普段からタイドアップのスーツやジャケットスタイルがほとんどだそう。ランニングで鍛えられたプロポーションが印象的。グリーンのタイは7、8本、カフリンクスも数多く所有。こちらは縁起のよいタートルモチーフ。
色使いで感度の高さを表現
森岡さん(以下敬称略) 「社長」という立場は、その方がどんな装い、どんな雰囲気や振る舞いかが、そのまま会社のイメージにもなりうるもの。装いを通してどんなリーダーか、見ていきましょう。今日訪ねるのはアイロボットジャパンの挽野社長です。
挽野さん(以下敬称略) こんにちは。宜しくお願いします。
森岡 開放的でモダンなオフィス、素敵ですね。社員の皆さんも、とてもオープンな雰囲気でお仕事をされていらっしゃるようにお見受けします。服装も自由ですね。
挽野 ありがとうございます。社員同士のコミュニケーションも盛んですし、服装については、それぞれが自身の状況に合った服装を、というのが弊社のルールです。
森岡 挽野さんもカジュアルな装いのときがおありですか?
挽野 いえ、私はほぼスーツかジャケットスタイルでタイドアップします。立場もありますが、仕事に対する気持ちの引き締めにもなりますので。それに、装いは第一印象に直結するものです。どんな装いの人がどんなことを語るのか、それが「アイロボットというブランドが人々にどう働きかけるのか」のメッセージになりますので、そこは意識しています。
森岡 おっしゃる通りですね。挽野さんの装いで目に止まるのは、体格に合った、着慣れていらっしゃるスーツの佇まいに、コーポレートカラーのグリーンです。
挽野 わかっていただけましたか?(笑)ほぼいつも、グリーンを身につけています。タイやカフリンクス等で取り入れることが多いのですが、なかなかこの色を探すのも簡単ではありません。
森岡 グリーンは色の幅も広く、季節によっても、「らしい」色味が変わります。それを活用すると、色の演出がぐっと映えます。
挽野 そうですね、春らしいグリーンもあれば、秋らしい、深みのある色味もありますね。
森岡さんの提案
あえて流行に目を向けてコーポレートカラーを料理した装いに