より現代的に進化している

先に発表された「カレラ S」系とベースモデル「カレラ」系の最大の相違点はエンジン出力の違い。両者とも991型後期より採用された3リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンをベースに、最新の排ガス規制をクリアすべくカ?ソリン微粒子フィルター(GPF)を装着(※ただし、日本仕様では排ガス規制が異なることから装着されないという)。一方でパフォーマンス向上のためにインタークーラーを移設するなどクーリンク?システムを新設計し、新たな燃料噴射装置を採用するなどして出力を高めた。
ターボチャージャーを大型化した「カレラ S」の最高出力は450PS、最大トルクは530Nmを発揮、そして、ベースモデルの「カレラ」は最高出力385ps、最大トルクは450Nmとなる。加速性能は、カレラの0-100km/h 加速は4.2 秒、一方でカレラSは3.7秒と、4秒を切るまでになった。共にオプションのスポーツクロノパッケージを装着した場合には、さらに0.2 秒短縮できるという。
まずはベーシックな「カレラ クーペ」に乗った。これまで911では2WDと4WDでボディを使い分け、後者にはワイドボディを使用することが通例だった。しかしこの「992」では、2WDでも4WDと同様に全幅が1852mmに拡大されている。これによってフロントもリアも踏ん張りの効いたボディになった。
カレラの標準ホイールはフロント19インチ、リア20インチなのに対して、試乗車にはオプションのフロント20インチ、リア21インチ、タイヤはグッドイヤーのイーグルF1を装着していた。こうなるとテールにあるエンブレムを見ない限り、カレラとカレラ Sを判別することは難しい。残る識別点としては、ブレーキディスクのサイズがカレラ Sでは大径化されている点があるがこれも一見して判断するのは難しい。もう1点、テールパイプが、カレラは四角い2本出し、カレラ Sは丸い4本出しになるのだが、オプションのスポーツエグゾーストが装着されていれば、いずれもオーバルの2本出しとなり判別がつかない。今回の試乗車にはすべてこれが装着されていた。
インテリアは、初代911を彷彿とさせる水平基調のデザインに最新のデジタルデバイスを組み合わせたモダンなもの。991から乗り換えるとひと目で新しさを感じるところだ。伝統の5連メーターは、中央のタコメーターのみアナログで、周りの4つはデジタル液晶になった。液晶にはアダプティブクルーズコントロールなどADAS(先進運転支援システム)などの情報も表示可能。時代の要請に応じて911にもこうした機能が備わっている。