自分だけの贅に浸る「京の空間を独占する」
多くの人が訪れる京都のなかにいながら、喧騒を離れ、落ち着いた雰囲気で京情緒を独占する。円熟した大人の男なら、こんな楽しみ方がお気に召すはず。日常を忘れさせる空間やサービスを、自分のためだけに用意してもらえるのも、長い歴史の中で数多の粋人を楽しませてきた京都ならではといえるだろう。今回は旅人・マエカワヤスユキが自分だけの京都に浸った。

平安貴族も好んだ嵐山の舟遊び
美しい夕景に照らされて、船上でグラスを傾ける
嵐山観光は、大堰川なしには語れない。古くは平安時代に公家が好んだといわれる嵐山の屋形船は、いまも水面に浮かび、渡月橋付近や渓谷の美しさを乗船者に楽しませてくれる。
もし、あなたが屋形船の情緒を満喫したいのなら星のや京都に宿泊することをおすすめしたい。渡月橋からほど近い、星のや京都では宿泊者を対象に貸し切りのさまざまな舟遊びをアレンジしている。風流な舟遊びをお望みなら船内を情緒豊かに演出し、酒や軽食を用意して夕刻に出発なんて特別注文も可能。
「人気の少なくなった夕刻に川も景色も独占できるのがいい。何より船上でのお酒は風流ですね」と実際に舟遊びを体験した前川さんは言う。かつて公家たちが味わった気分を、同様の遊びから追体験するのもきっと良き思い出になるはずだ。
平安貴族の私邸がごとく京都の伝統的空間に滞在する

四季折々の奥嵐山の美しい姿と川のせせらぎがゲストをもてなす
渡月橋南端から、迎えの舟で大堰川を遡り、現地へ。星のや京都がある場所はかつて江戸時代の豪商・角倉了以が別邸を構えた場所だという。客室はすべて和風の建物で、心底リラックスできる環境を確保。滞在者の多くが足を運ぶのは優雅なラウンジ。こちらには京都にまつわる書籍やドリンクが用意され、実に心地よい。