加藤三菱地所は街づくりの一環としてマンションシリーズなども開発されていますが、住空間はどう変化していくと思われますか?
吉田いろいろな考え方があると思いますが、一時期海外からの輸入木材が業界を席巻していた時代を経て、再び日本の間伐材だとかを有効活用する流れが出てきています。「大黒柱」という言葉があるように、もともと木でつくるのが日本の伝統的住空間のあり方でしたよね。そういう日本的な住まいがまた根づきつつあるように思います。あと私は落ち着く場所がお風呂なんですけど(笑)、人間らしさを取り戻して心を充足させるという意味では、東京以外の自然環境が豊かな郊外や地方に拠点を持つのもいいんじゃないかと。そうすれば人の流れが循環して東京以外のエリアが活性化する要因にもなるんじゃないでしょうか。私も平日は都心部ですが、週末は妻と犬がいる湘南に戻っています。
加藤お風呂好きとなると、温泉があったら、最高ですね(笑)。私も今後は自分が満たされる住環境や街を考えながら、未来を模索していきたいと思います。
カトMEMO
- 私利私欲に走らない誠実さと人としての器が五十歩、百歩先の未来を形づくる。
- 多くの人を相手にする仕事では、いろいろな人の価値観を受け入れる懐の深さが成功の鍵を握る。
- 縁の下の力持ちとして、仕事がしやすい環境をつくり出す”コーディネーター”こそが仕事の要。
- 社員との間に垣根をつくらず、部下の仕事、成果に対して愛情を持って接する。
スペシャルフォトギャラリー
[MEN’S EX 2019年10月号の記事を再構成]
撮影/鈴木泰之 スタイリング/後藤仁子 ヘアメイク/陶山恵実 文/岡田有加(Edit81)