リヴェラーノ&リヴェラーノの販売とは?
「私はモデリストではありませんが15年働いている間に、どのように洋服を作るのかも勉強させてもらっています。といっても、私はあくまでテーラーとお客様の架け橋役です。採寸もできますが、それをしてしまうと自分たちのスタイルではないなと、ずっと考えていました。リヴェラーノ&リヴェラーノはテーラーショップです。リヴェラーノがやってきたのは、テーラーがお客様とコミュニケーションをとって、テーラーが一番カッコいいと思うものをお客様に伝えるスタイル。それをテーラーじゃない店頭のスタッフが販売してしまうと普通のアパレル企業になってしまいますよね。だから、日本のオーダー会でもイタリア本国からテーラーを連れてきて、お客様にどんな色が合うか、どんなコーディネイトがいいのかを提案しながら接客をするスタイルです」。

リヴェラーノ&リヴェラーノで働いてからのファッション観は?
「日本ではニュークラシック、ネオクラシックなんて言い方もしていましたよね。ヨーロッパにはそんな考え方はなくて、クラシックはクラシック。ずーっといいものがクラシックだ、という、ヨーロッパの考え方に共感していました。いいものを長く持つことは経済的だし、かっこいい」。
「お客様が何十年も着ているジャケットを拝見すると『いいなあ』と思いますよ。10年前、15年前のジャケットを着ている人もカッコいい。変わらない美しさはいいですね。昔から古着が好きだったのは、そこにも共通します。古着はミリタリーやワークなど時期によって流行はあるけれど、やはり完成された当時のものはカッコいい。リヴェラーノ&リヴェラーノで働くようになってから、美しいものはいつ見ても美しいと共感しました。実際にそれらを見て、触れて。その影響は大きいですね」。
最近の大きな出来事は?
「ジェノバの下の方にカッラーラという街があります。そこに2年前に工房を作って、リヴェラーノと共同経営を始め、私も彼とともにオーナーとなりました。こちらはリヴェラーノ&リヴェラーノの既製品を作っています。以前、今後のビジネスについて、彼に尋ねたことがありました。私は小さい工房で工芸品(=ビスポーク)ではなく、工業品を作れないと考えていて。当初、リヴェラーノは工芸品としての洋服作りにしか関心がなかったようですが、4年くらい前から考え方が柔軟になって『工房を』と話が出てきました」。
