【ファッション履歴書】リヴェラーノ&リヴェラーノ 大崎貴弘さんの場合

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若い頃はどんなファッションに興味がありましたか?

「ファッションはシンプルなものが好きでした。ジル・サンダー、APCとか、ハリウッドランチマーケットの古着ミックス調のものも好きでした。ただファッションはあくまでも生活の一部であって、そのために生きているというわけではありません。ヨーロッパに行って感じたのは、ちゃんとした場に行くときは、ちゃんとした格好をしないといけないというマナー。イタリア人の友達と初めてディスコに行ったときに『お前はジャケットを着ていないから入れないよ』と言われて、なにそれ? と。そのときから、徐々に友人を通じて理解できたんです。友人も遊びに行くときは『ちゃんとドレスアップをしてこいよ』と言ってくるし」。

イタリア語はすぐに覚えられましたか?

「学校を卒業してから、実際に話さないと勉強にならないだろうと。そこで仕事を探していたら、友人が美容室でシャンプーボーイを募集していたよと教えてくれて、じゃあそこで働こうと。シャンプーボーイをしながらお客さんやスタッフとのやりとりで言葉を覚えました。ほかにも友人が働くバーがあって、ほとんど毎晩、そこへ行って片言でコミュニケーションして、言葉が分かるようになったんです」。

大崎貴弘(おおさきたかひろ)さん/リヴェラーノ&リヴェラーノ ショップマネージャーと甥御さん
【大崎さんの思い出の1枚】トランクショーで来日した時、甥御さんたちと(2006年)。

美容室でも働いていたんですか?!

「シャンプーボーイをしながら、イタリア滞在が2年くらい経ったころ、以前働いたカジュアルショップに復帰しました。復帰して4か月ほど経った頃に、2着目のジャケットを作った日本の友人が、またリヴェラーノ&リヴェラーノにピックアップに来ると。それで通訳としてリヴェラーノに会いました。イタリア語で意思疎通ができるようになっていたので『お前を街でよく見かけるけど、いったい何をしているんだ? よかったらうちで働かないか』と言われまして」。

「リヴェラーノは『俺は、ある程度、日本では有名なんだよ』というけれど、こっちは知らないし(笑)。友人はあんな大物から声を掛けてもらえるなんて! と、驚いていましたが、ぼくにはただのおじいちゃんでしたから。でも、業界の人にいろいろと聞くと、すごい人物だとわかり、正式な雇用ではなくて、まず一週間だけ様子を見させてもらうことにしました。4日くらい働いたところ、『やる気があるなら働きなさい。信用しないなら帰っていい』と言われて本格的に現在の仕事が始まりました。それが24歳か25歳頃です」

大物バイヤーも日本から訪れますよね

「そうです。当初はみなさんに『あなた、誰?』って顔をされまして(笑)。日本人が働いたことがなかったので、そんな反応も無理はなかったかもしれません。そうして1年、2年、3年と経つと、顔を覚えられて『まだ、いるねえ』なんて話もするようになり、打ち解けられるようになりました」。

【大崎さんの私物を拝見】(写真2枚)

本国のショップの雰囲気を再現しているリヴェラーノ&リヴェラーノ コーナー。

本国のショップの雰囲気を再現しているリヴェラーノ&リヴェラーノ コーナー。

ドレスから大人のカジュアルまで、アイテムは幅広い。

ドレスから大人のカジュアルまで、アイテムは幅広い。

リヴェラーノ&リヴェラーノのスタイルに欠かせない、サスペンダー。各1万8000円

リヴェラーノ&リヴェラーノのスタイルに欠かせない、サスペンダー。各1万8000円

上質なネクタイも豊富に揃う。各1万8000円

上質なネクタイも豊富に揃う。各1万8000円

落ち着いた地色と存在を主張するストライプのバランス観が絶妙。各1万8000円

落ち着いた地色と存在を主張するストライプのバランス観が絶妙。各1万8000円

シャツとタイのセレクションも充実している。

シャツとタイのセレクションも充実している。

「モンブランの赤茶が好き」と語る大崎さん。上の2本はボールペン、万年筆で、ともにモンブランだ。下の黒いペンは普段使うことが多いカルティエ。

「モンブランの赤茶が好き」と語る大崎さん。上の2本はボールペン、万年筆で、ともにモンブランだ。下の黒いペンは普段使うことが多いカルティエ。

お好きだという古いペンをたくさん拝見した。上のグッチはローズウッドのボディにシルバーのキャップの組み合わせがエレガントだ。下は形状に特徴があるというウォーターマン。

お好きだという古いペンをたくさん拝見した。上のグッチはローズウッドのボディにシルバーのキャップの組み合わせがエレガントだ。下は形状に特徴があるというウォーターマン。

アントニオ・リヴェラーノさんのご自宅にて。一緒に移っているのはリヴェラーノさんのお嬢様親子だ。撮影は「アーモリー」のオーナー、マーク・チョーさん。

アントニオ・リヴェラーノさんのご自宅にて。一緒に移っているのはリヴェラーノさんのお嬢様親子だ。撮影は「アーモリー」のオーナー、マーク・チョーさん。

32歳の誕生日を祝ってもらったときの一枚。撮影は「アーモリー」のオーナー、マーク・チョーさん。

32歳の誕生日を祝ってもらったときの一枚。撮影は「アーモリー」のオーナー、マーク・チョーさん。

スーツ/リヴェラーノ&リヴェラーノ(ビスポーク)、シャツ・ネクタイ/リヴェラーノ&リヴェラーノ(プレタポルテ)、シューズ/ジョンロブ、チーフ/イタリアの修道女の手織り。

スーツ/リヴェラーノ&リヴェラーノ(ビスポーク)、シャツ・ネクタイ/リヴェラーノ&リヴェラーノ(プレタポルテ)、シューズ/ジョンロブ、チーフ/イタリアの修道女の手織り。

明るめのブルーのコットンスーツにボーダーのニットタイが印象的だ。

明るめのブルーのコットンスーツにボーダーのニットタイが印象的だ。

プレゼントでもらったというチーフは、手仕事ならではの繊細さが漂う。また、装いにイヤミなく華やかさも添えている。

プレゼントでもらったというチーフは、手仕事ならではの繊細さが漂う。また、装いにイヤミなく華やかさも添えている。

大崎さんのトレードマークのようなピアス。この日は日本のジュエリーブランド「ハム」のプラチナのものを着用。スーツ姿にキラリと光るピアスが個性を感じさせるカギだ。

大崎さんのトレードマークのようなピアス。この日は日本のジュエリーブランド「ハム」のプラチナのものを着用。スーツ姿にキラリと光るピアスが個性を感じさせるカギだ。

ピアスがズラリ。イエローゴールド、ローズゴールド、ホワイトゴールド、プラチナなど、各素材がひととおり揃えられている。「ハム」とイタリアの職人に作ってもらったものを拝見。いずれも趣味のフライフィッシングをモチーフにしている。

ピアスがズラリ。イエローゴールド、ローズゴールド、ホワイトゴールド、プラチナなど、各素材がひととおり揃えられている。「ハム」とイタリアの職人に作ってもらったものを拝見。いずれも趣味のフライフィッシングをモチーフにしている。

この日はジョンロブのスエードローファー、ロペスを着用。

この日はジョンロブのスエードローファー、ロペスを着用。

2025

VOL.345

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