ラダーフレーム式のシャシーとは決別

具体例を挙げるならば、極端に短い前後のオーバーハングや、直立近く立てられたピラー、ルーフ後方の「アルパインライト」と呼ばれるサンルーフなどがそうだ。オフローダーでありながらとても都会的なオーラを放ちつつ、ディフェンダーらしさも同時に強烈にアピールしている。

一方で、新型はこれまで使ってきたラダーフレーム式のシャシーとは決別を果たしている。タフネスが要求される本格派のオフロード4駆は、シャシーは頑強なラダーフレームを採用する例が大半だ。ところが、ニュー・ディフェンダーは「D7x」アーキテクチャーと名づけられた軽量アルミニウム製のモノコック構造へと改められ、一般的な乗用車と同様の形式となった。だが、それにより他のどのランドローバー・モデルよりも優れた強度と剛性を獲得することに成功している。

そして、オフロード性能を支えるパワートレインも劇的な進化を果たした。用意されているエンジンはガソリンはマイルド・ハイブリッド・テクノロジーが採用された4気筒のP300と6気筒のP300。ディーゼルはいずれも4気筒でD200と出力の高められたD240がラインアップされる。加えて、2020年にはPHEV(プラグイン・ハイブリッド・モデル)の導入も予定されている。
すべてを内包するボディには2タイプがある。2ドアで全長が4583mmとなる「90」と、4ドアで全長が5018mの「110」だ。「90」は5シートとなるが、「110」にはオプション設定の3列目シートを装着することができ5+2シート・レイアウトとすることも可能。いずれも、ジャンプシートを装着すれば、6シート仕様にすることもできる。


遊び心とタフネスな見た目、そして洗練が見事に調和したディスカバリーのデザインは、インテリアにおいても同様だ。グレインレザーとラフカットウォールナット、ロバストウィーブテキスタイル素材といった魅力的な素材を組み合わせ、インストゥルメントパネルを始めとする全体の造形はシンプルだがモダンな印象だ。質実剛健に使いやすさ大前提に設計されているのに、温もりや気品すら感じさせる空間に仕立てられている。