後半はグッとロックな雰囲気に!
小休止後は、再びMAZZAMiZMの4人によって、オリジナル曲『思ってもみない世界へ』。そしていよいよ、新曲の『乱』をお披露目。前述したような、ポップなロックン・ロール・テーストのナンバーで、ローリング・ストーンズやRCサクセションを思わせるような曲調。
MAZZAMiZMのメンバー




この曲がプレイされて、再びステージに登場した松山さん。「最近またいろんな国の揉めごとや嫌なニュースが続いているから、この曲を世に出すにはいいタイミングだったかもしれないね」。
ここからは、MAZZAMiZMの4人と深山エダさんがサポートしつつ、前半のフォークなニュアンスとはひと味違った、ロックなテーストの松山さんの歌声をフィーチャー。
まずはザ・ゴールデン・カップスの9作目のシングルB面に収められた松山さんの作品『悪魔にだまされた』(ちなみにA面の『苦い涙』は、デイブ平尾さんと松山さんとの共同作詞)。「あんまり売れなかったけど」という松山さんのMCに笑いが起こる。
続いて、これも松山さんの代表曲『帰って来たヨッパライ』を、レゲエヴァージョンで。

途中の神様にセリフは、もちろん松山さんのご担当。さすがにセリフ回しもバッチリで、客席も思わず笑顔に包まれる。ラストは、現在も多くのアーティストがカバーし続けている名曲『タイムマシンにおねがい』。大盛り上がりとなって、いったん幕となった。
もちろん、そこでアンコールを求める拍手が起こる! 再び松山さん以下全員がステージに上がると、松山さんから、アンコール曲に関してこんなエピソードが披露された。
「ジュネーブでのフランク・ミュラーのパーティに、以前は毎年いろんなアーティストがやってきていたんです。ある年はレイ・チャールズ。あれはよかった。今日は、その大好きなレイ・チャールズの曲をやりたいと思います」
その曲は『ジョージア・オン・マイ・マインド』。R&Bの名曲を歌う松山さんの渋い声が、エダさんの艶やかな声と溶け合い、観客も拍手喝采。そして、もう1曲。ホントにホントのオーラスは、やはりもう一度『イムジン河』。
ここで、もう一人ゲストが登場。かつて、「ちゃんちゃこ」というフォークデュオでヒットを飛ばし、松山さん&加藤和彦さんをリスペクトしてやまない、北方義朗さんがステージに。

北方さんは、今回の企画とは別に、松山さん&加藤さんトリビュート・ライブを開催していて、来たる11月3日、東京・恵比寿の「天窓.switch」という会場でイベントを開催する予定。松山さんも参加することになっている。ご興味のある方はぜひ足を運んでいただきたい。
DATA
「フォーククルセダーズとその時代」
【出演】松山猛&ちゃんちゃこカンパニー
18:00開場/18:30開演
2500円(1ドリンク別途600円)
恵比寿 天窓.switch
住所:東京都渋谷区 恵比寿3丁目28?4 B1F
Tel:03-5795-1887
最後にふさわしく、ステージと客席が『イムジン河』で声を合わせ、ひとつになって、この夜のイベントは終了した。
作詞家・松山 猛。その足跡を楽しみながらたどり、また新たな歌が生まれる喜びを、その場にいた皆がシェアすることができたに違いない。来場者からは「松山さんが1、2曲歌われるのかと思っていたら、ほぼ出ずっぱりでしたね。驚いたり、興奮したりでした」という声も聞かれた。
「松山さんの、年齢を重ねてこその慧眼、年齢を重ねても失われない瑞々しさ。これらがいっぱい詰まった歌をもっと届けてもらうために、松山さんをもっと引っ張り回したいと思っています(笑)」
このライブを企画したまつあみさんは、今後に向けても意欲的な言葉を口にしていた。
撮影/稲田美嗣
セットリスト
(前半)
◆ソウル・ズンドコ節
◆BAKEの皮
◆サマータイム
◆あしたはくる
(松山さんステージに)
◆Somos El Barco
◆家をつくるなら
◆オーブル街
◆もしも、もしも、もしも
◆イムジン河
(後半)
◆思ってもみない世界へ
◆乱
(松山さん呼び込み)
◆悪魔にだまされた
◆帰って来たヨッパライ
◆タイムマシンにお願い
EC
◆ジョージア・オン・マイ・マインド
◆イムジン河