第20回 ANAホールディングス株式会社 代表取締役社長片野坂真哉さん［後編］
※最後に加藤綾子さんのスペシャルフォトギャラリー付き！
Profile
加藤綾子 Ayako Kato
1985年生まれ。2008年フジテレビ入社、看板アナウンサーとして活躍。’16年、フリーアナウンサーとなり女優業もこなす。現在は『ホンマでっか!? TV』（CX）にレギュラー出演するほか、報道番組『Live News it!』（CX）のメインキャスターを務める。新著の『会話は、とぎれていい—愛される48のヒント』（文響社刊）も好評発売中。
片野坂真哉 Shinya Katanozaka
1955年生まれ。’79年東京大学法学部卒、同年全日本空輸入社。’95年企画室主席部員、2002年営業推進本部マーケティング部レベニューマネジメント部長、’04年人事部長、’07年執行役員、’09年取締役に就任。’11年常務、’12年専務企画室担当、’13年ANAホールディングス代表取締役副社長となり、’15年4月より現職。
「ひどく叱られたとしても根底に愛情を感じられれば、必ず伝わります」
（加藤さん）
加藤片野坂さん自身、航空業界は今後も安泰だと思われますか？
片野坂実はそう思っているんです。なぜかというと、人類はアフリカから誕生し、そこから世界に移動していった。スカイプが登場しても実際に相手のいる場所に出かけてフェースツーフェースでやりとりするカルチャーはなくなっていませんし、卒業旅行もハネムーンも熟年旅行も需要は減っていない。つまり人類は誕生した時から移動が好きなんだと思います。
加藤ものすごく同感です。
片野坂そういう意味ではいずれ宇宙までという想いはありますし、未来という部分でいうと、「赤ちゃんが泣かないヒコーキ」と銘打って、赤ちゃんの鼓動からミルクを欲しがっているタイミングをお母さんに教えてあげられるソフトウェアの動作試験を実際に飛行機を飛ばしてやってみたり、時差ボケ防止アプリも開発中です。ほかにもスクリーンに初音ミクさんやそれこそ加藤さんが出てきて「前回は『ボヘミアン・ラプソディ』をご覧になりましたが、今回はこの映画でどうですか？」と提案してくれるサービスや、機上での時間を有効活用して健康診断を行うようなことも可能になると思っています。「加藤さんは機内ではいつも眠っています」といったことも把握したうえで、必要なサービスをさりげなく提供するということですね。
加藤どれもわくわくします！
片野坂航空業界も人手不足ですから、デジタル機器の導入やイノベーションにより社員の負担を減らして働きやすくすることも大事です。ミールの品切れがあってはならないとされてきたファーストクラスでも、フードロスがないように搭乗前までにデジタルでプリオーダーをしてもらうことでコストもセーブすることができます。
加藤変革をする、しない、の判断基準はどういったところに？
片野坂 私たちにとって最も大切なのは安全です。そこに関わる部分は絶対に変えません。一方で変えるべきは「挑戦すること」に尽きます。ANAも最高益２兆円を超えるようになり、スカイトラックスのレーティングで最高評価の５スターを７年連続でいただいていますが、ここで満足して油断していると、必ず追い越されます。
