「終わらない愚痴」を切り上げたいとき、なんて言うのが正解?【大人の言い訳講座】

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大人の言い訳は、相手への誠意でありやさしさであり愛です。何かとややこしくてままならない大人の日々ですが、適切な言い訳を繰り出して、自分を守りつつ周囲のストレスをできるだけ少なくしてしまいましょう。

言い訳のイメージイラスト

石原 壮一郎さん

講師
石原 壮一郎さん

1963年三重県生まれ。大人の美しさと可能性を追求するコラムニスト。1993年に『大人養成講座』でデビュー以来、日本の大人シーンを牽引している。『家族史ノート』も好評!

延々と続く愚痴を切り上げたい

愚痴が止まらない相手には、感謝や称賛を述べて黙らせよう

「いやあ、昨日は部長の自慢話をさんざん聞かされてさあ」と、愚痴を長々と聞かせてくる先輩。「子どもの学校のことで、妻の実家と意見が合わなくて」と、酒の席での愚痴が止まらない同僚。

多少の愚痴はお互い様だし、貴重な話のネタという一面もあります。しかし、延々と聞かされるのは勘弁してほしいもの。恨みや怒りのオーラが伝染して、こっちまで気持ちが沈んでしまいます。

とはいえ、愚痴を言っている相手は、それなりに弱っていたり、あるいは「気の毒な自分」に酔っていたりするのが常。いずれにせよ、「その話は、もういいよ」と冷たく拒絶するわけにはいきません。早めに切り上げるには、それ相応の言い訳が必要です。「そうだ。2時から会議があったんだ」と立ち上がったり、胸ポケットを押さえて電話がかかってきたフリをしたりするのは、あまりにも露骨。相手は、自分が愚痴という災難に遭わせていることを棚に上げて、「なんだよ、失礼だなあ」と根に持ちそうです。

ここは、ある程度の満足感を与えることで、気持ちよく愚痴を終了してもらうのが賢明な作戦。

部長の自慢話を聞かされた愚痴の場合、まずは「さすが、○○さんは聞き上手ですもんね」と持ち上げます。さらに、「○○さんが犠牲になってくれたおかげで、私たちは助かりました。ありがとうございます」とお礼を言ってしまいましょう。

家庭問題を愚痴っている同僚に対しては、「たいへんな状況だなあ。よく耐えてるよ」とねぎらいつつ称えます。その上で、「だけど、お前には悪いけど、すごく勉強になったよ」と感謝を述べます。過去形というのもミソ。

どちらのケースも、本当はもっと愚痴を続けたかったでしょうけど、いちおう話の区切りがついて、「いや、まあ……」と切り上げざるを得ません。そのタイミングなら、話題を大きく変えても、恨まれる心配はないでしょう。

お土産を持たせることで、おとなしく引き下がってもらう。これも一種の“大人の駆け引き”と言えなくもありません。しかも、言葉のお土産はタダですしね。


言い訳の極意

相手にお土産を持たせることで、
自分にとって
望ましい状態を作り出す——。
言い訳とは持ちつ持たれつの
体現である。




[MEN’S EX 2019年7・8月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)

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