秋の装いを楽しむ月が始まった。もちろん、”買う”である。この時季はスーツよりもいいジャケットからまずなくなると聞く。実際に着る時季は少し先だが、残暑中になくなりそうな至極を、編集部が厳選してお届けする。
(右)ラルディーニのボンディングニットジャケット「LIKNIT」
(左)ボリオリのドーヴァー

休日スタイルでもジャケットを。時流に伴い、ビジネスシーンにおいてもスーツでなくてもOK。要因は数あれど「ジャケパンスタイル」が市民権を得て久しいが、その立役者である両雄がその名声にあぐらもかかずに毎年進化しているというのだからまったく恐れ入る。
ニットJKの評価も高い、ラルディーニ。アンコン仕立てを世に広めたボリオリ。両者に共通するキーワードはリラックスだが、この写真を見て着心地ファーストにありがちな、”ゆるさ”を感じるか? ラルディーニはニットながら裏面に極薄の生地をボンディングして貼りつけ、ハリ感とシルエットを維持するよう工夫。ボリオリは名作「ドーヴァー」を着丈を短くするなど、すっきりして落ち着いた印象に微調整して復刻。使えるシーンがさらに増えた昨今こそ、持っておいて損なしと断言できる。
(右)LARDINI / ラルディーニのボンディングニットジャケット「LIKNIT」

ニットとは信じ難い”仕立て映え”
ウール90%、ナイロン10%のニットジャケット。柔らかいニットの一枚仕立てにもかかわらず裏地に極薄の生地をボンディング加工で貼り付けることで、ジャケットの形が保たれている。それでいてニットの伸縮性は健在で軽量。12万4000円(ラルディーニ 東京店)。
(左)BOGLIOLI / ボリオリのドーヴァー

待ち望んだ”傑作の帰還”
数年ぶりに復活を果たした、アンコンジャケットの名作モデル。以前に比べて、ボタンを留める合わせの位置が高くなり、着丈もやや短めで全体的なディテールの位置が高くなっている。ラペル幅もやや落ち着きのある広めになり大人な仕様に。9万8000円(三崎商事)
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2019年9月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)