今一番”攻めているSUV”は、フランス発のコイツではないか?

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乗り味はしなやか

DS3 クロスバックにユニークなポイントは、デザインだけでなくコンパクトカーながら、最新技術を惜しげもなく搭載していることだ。ヘッドライトにはマトリクスLEDタイプを採用する。これは15のLEDライトを自動制御で点灯、消灯し、前走者や対向車を眩惑することなくハイビームでの走行を可能にするもの。アウディの上級モデルなどに始まった最新のライティングテクノロジーだが、Bセグメントのコンパクトカーとしては初採用となる。

またドアハンドルは、操作時のみせり出し、施錠時や走行時にはドアパネルに格納されフラットになるリトラクタブルタイプを採用する。ジャガー・ランドローバーやテスラなどが採用するようなとても凝ったつくりで、このDS3 クロスバックでは、 鍵をもって1.5mまで近づくとドアハンドルが自動でせり出し解除、同様に離れると自動でロックという優れもの。ドアの施錠には一切の操作が必要なくなった。

DS3 クロスバックのエンジン
ガソリン1.2?のピュアテックエンジンを採用。2020年には100%電気自動車となる「E-Tens」の発売も控えている。

インパネ中央のエンジンスタートボタンを押すと、PSAグループとして定評のある1.2?の3気筒ターボエンジンが目覚める。最高出力130ps、最大トルク230Nmを発揮し、セグメント初の8段ATを組み合わせる。パワフルとまでは言わないものの必要にして十分。おそらくこれで1.2?しかないと言われれば誰もが驚くだろう。インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーで4年連続最優秀賞に選ばれているのも伊達ではないということのようだ。

DS3 クロスバックのトランスミッション
トランスミッションは8速ATの「EAT8」。アクセルをオフにするとクラッチを切る「エコモード」が搭載され、燃費走行も可能となっている。
DS3 クロスバック
DSオートモビルが新しく開発した小型SUV「DS3 クロスバック」。装備が異なる3つのグレードが用意されている。価格は「Be Chic」(受注生産)が299万円、「So Chic」が357万円、「Grand Chic」が404万円。

近年のプジョーを彷彿とさせる小径ステアリングをゆっくり切り込むと、きれいにロールしながらコーナーを曲がる。最上位グレードのGrand Chicは18インチの大径タイヤを履くが、いかにもフランス車らしいしなやかな乗り味をみせる。従来フランス車といえば、乗り味は素晴らしいものの、ADAS(先進運転支援システム)などでは競合に遅れをとっていた。それもこの新プラットフォームを採用したDS3 クロスバックは一気にアップデイトし、停止後3秒以内であれば自動で再発進可能なACCや車線内で自車位置を車線中央を維持するだけでなく、右寄りや左寄りに調整できるレーンポジショニングキープなども備えている。

もはやフランス車だからと妥協する必要はない。そして、ジャーマンプレミアムブランドとは一線を画す、DSならではの唯一無二の個性を備えている。



関連記事: フランスらしさ全開の「小さな高級車」DS 3クロスバックにモナコで試乗

文/藤野太一 写真/柳田由人 編集/iconic

ルーフとボディをツートンカラーにするというDSブランドが以前より得意としているデザイン処理。カラー設定も仏車らしいオシャレな色合いが用意されている。

ルーフとボディをツートンカラーにするというDSブランドが以前より得意としているデザイン処理。カラー設定も仏車らしいオシャレな色合いが用意されている。

シートの柄もダイヤモンドパターンを採用。コンパクトSUVでは珍しいホールド性の高いスポーツタイプのシートが設定されている。

シートの柄もダイヤモンドパターンを採用。コンパクトSUVでは珍しいホールド性の高いスポーツタイプのシートが設定されている。

荷室はこのカテゴリーのSUVとしては標準的な容量。通常時は350?、リアシートを倒した際には最大1050?まで拡大する(VDA方式)。

荷室はこのカテゴリーのSUVとしては標準的な容量。通常時は350?、リアシートを倒した際には最大1050?まで拡大する(VDA方式)。

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