“大事を始めるには、まず手近なことから始めよ”と教える中国の故事「隗より始めよ」。良い関係を築くには、まず一緒の食事から。達人たちのリアルな会食術を掘り下げる。

今月の”会”の達人

株式会社アントレックス 専務取締役中村順一さん
世界各国のスタイリッシュなインテリアや生活雑貨を展開する輸入代理店のキーマン。料理のプロが愛用するブレンダーブランド・バイタミックス、家電のスタドラーフォームほか、約50ブランドを展開。海外の担当者との会食も多いとか。
食の不毛地帯におけるとっておきの一軒
「海外からビジネスパートナーが来日するたびに、いろんなお店にアテンドしてきましたが、中でもここはいつも好評です」。そう言って今回の“会”の達人・中村順一さんが推薦してくれたのは東京・新宿2丁目の和食店「広島料理 安芸」。言わずと知れたネオン輝く歓楽街だが、今年創業24年を迎える同店は、雑踏を他所に、しっとりした風情をたたえている。
暖簾をくぐって中に入ると、そこはカウンターと畳敷きの小上がりが2つ設えられた和の空間。割烹着を纏った広島出身の店主・岩見政夫さんがカウンター越しに華麗な包丁さばきを披露してくれる。メニューはない。「その日、その日に仕入れた新鮮な食材を召し上がってもらいたいから」とのこと。予約時に予算を伝え、おまかせコースをいただくというスタイルだ。
常連客がほとんどということもあって、営業中は和やかな雰囲気。会食の利用も多いという。初めての方はまずランチを試し、それから夜に会食本番を迎えた方が安心かもしれない。
料理は一人あたり5000円程度から。予算やお腹の具合に応じて柔軟に調整してくれるのも心丈夫だ。新宿はチェーン系の店が多く、食の不毛地帯ともいわれる。落ち着いた会食場所を探すのも簡単ではないが、この店は救世主となってくれそうだ。
“会”を成功に導くには
コスパが良く真っ当な和食店を押さえておく