小曽根 そうなってくると、真に「王道」といえるのは紺無地スーツに紺無地タイのような超基本のスタイルだけ、ということになるのでしょうか。
鏡 私は「王道」の定義とは「マナーある装い」だと思います。場に相応しく、相手への礼を表す装い。これが時代を超えた「王道の装い」の要ではないかと。
池田 スーツは制服ではなくコミュニケーションですからね。それは確かに正解だと思います。例えば、欧米では小さい子でも誰に会うかによって、自然に服を着分けたりお洒落をします。
小曽根 王道とは服ではなく姿勢ということでしょうか。そう考えるとどんなシーンでも礼を欠かないとされる超基本の紺白の無地でまとめた着こなしでも、ただ無難に着ればよいと言うわけでもなさそうですね。
池田 会う相手により、シャツやチーフで変化を加えて相手への想いを伝えるような姿勢を持ちたいですね。ときには華やかに装うため、ネイビーやグレーだけでなく、ブラウンスーツで装うのもよいでしょう。そのようなコミュニケーションを取れる、自分なりのスタイルを持つことが装いの王道でしょうか。
基本の「き」も、素材使いで”今”っぽくなる

紺白の無地でまとめた装いはスーツの大基本。それをベースに今の洒脱を加えるなら、素材にこだわるのがいい。こちらはシャツをリネンにし、胸元にニュアンスを加えているのがポイントだ。