渋沢栄一の洒脱
Tokio Hatのシゾール中折れ帽

礼装に合わせるシルクハットから、スーツに中折れ帽を渋く合わせる英国紳士など、ハットはダンディズムを表す必需品であった。今は種類も増え、ファッションアイテムとしても定着しているが、慣れない者にはハードルが高いものだ。
日本でハットが定着したのは、明治時代。その立役者と言えるのが、財界の大御所、渋沢栄一肝いりで1892年に創業したTOKIO HAT(トーキョーハット)。渋沢は欧米では紳士の装いに帽子が欠かせないことを早くに知り、日本初の製帽会社として設立した。まさに日本ダンディズムのフロンティア。そしてそれは120年以上続く。魅せるべきときにハットでさらりと洒落られる。気障と言わず、日本紳士の嗜みと。歴史に裏打ちされた真の洒脱がそこにある。
上写真は麻素材の一種であるシゾールを、きめ細やかな石目編みで編み込んだミドルプリムの中折れハット。上品にして清涼な被り心地だ。
1892年から続くハットのダンディズム

渋沢栄一も愛用したボーラーハットの復刻版。厳選されたラビットファーを使用し、裏側には昭和初期から使用されていた鳳凰マークのエンブレムが。9月中旬発売予定。
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2019年7・8月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)