コバの1つ1つ、1ミリの塗り残しもなく美しく仕上げる

両端を削ったり、バックルの穴を開けたりすることにより、革本来の薄い色が出てきてしまう部分がある。これらの細かいコバ部分を丹念に手作業で色塗りし、100度の乾燥機で乾かす。その後、艶を出すために別の機械で研磨する。コバの部分は摩耗しやすいので、色がハゲてこないよう、この色塗り&研磨の工程は5回も繰り返して行うそうだ。恐ろしく手間がかかる作業だが、この工程をじっくり繰り返すことにより、色落ちしにくく、美しいベルトになる。
丹念な手仕事で繰り返し行われるコバ塗り(写真16枚)

コバ塗りを残すところなく終えたら、バックルやベルトループなどの細かい部分の工程に入る。これらは革のパーツも本体と比べると随分小さく、細くなるが、革を梳いたり糊を付けたり曲げたり縫ったりという作業は一寸の狂いもなく熟練の手作業とミシン裁きにより進められる。
細かなステッチ入れも熟練の手さばき(写真10枚)

バックルまで縫い付けたら、最後に留め糸の刺繍などを手作業で行う。糸の結び目はライターで炙って固めるわけだが、これも革を焦がさずに糸だけを上手く留めるのはかなり熟練の技! 糸の刺繍を留め終わったら、見事完成!

仕上げの糸留めなど、細かい作業も丁寧に(写真8枚)


コーディネート全体の中に占める面積としては小さな革小物ではあるものの、ディテール1ヶ所1ヶ所が非常に丹念に作られているから、製品になったときの完成度は非常に高い。だからこそ、丈夫で長く使えるという点も嬉しい。また、アドリアーノ メネゲッティはバックルなどもオリジナルで作っている。なかでも小ぶりで繊細なバックルは、大人なメンズのドレッシーなジャケットスタイルなどにも相性抜群だ。これからの季節、タイドアップにもノータイにも重宝しそうな大人のメンズのためのベルト、是非チェックしてみて欲しい。

掲載商品のお問合せ先は、
エヌ・ケー・クラシイック TEL:06-4706-3631
アドリアーノ メネゲッティ公式サイト
※表示価格は税抜き
撮影/仁木岳彦(N-Wing Milano)<イタリア取材>、若林武志<静物> スタイリング/宮崎 司 文/平澤香苗(MEN’S EX ONLINE)