100% Made in Italyの上質ベルト、その作りの全貌を徹底解説!

ところで皆さんは、ベルト作りの工程を見たことがあるだろうか?
ベルトは、スーツやシャツ、パンツなどの布モノに比べると、直線の革にバックルが付いているだけだから、そんなに作るもの大変でないのでは……? と思う方も多いかもしれないが、実はそんなことはなくて、クオリティの高いベルトを完成させるためには、予想以上に多くの細やかな工程を踏まなくてはならないのである。
それを見学すべく、ミラノ郊外にあるアドリアーノ メネゲッティのベルト工場を訪ねてきた。
工場内には上質なカーフや型押しのものなど、たくさんの革のストックがある。ここから使う革を手作業でスクエアにカットした後、機械裁断の工程へ。機械に取り付ける金型はベルトの種類によりさまざまだが、通常は1枚の大きな革からベルト7本分を均等幅でカットする。

金型やストックがたくさん!(写真6枚)
1本分の幅に革を裁断したら、次に「革を梳く」工程に移る。ベルトは表面の革と裏面の革を張り合わせて1本になるため、片面分の革があまりに分厚いと、ベルト自体がボッテリした厚さになってしまうので、片面自体はある程度の薄さが必要になる。これも機械に革を通しながら行うが、機械の速度バランスなども重要で、熟練のテクニックがいる作業だ。

革の薄さを計測する機械で厚みを見てみると、機械に通す前と後で全然厚みが変わっていることが分かる。
