【衣替えをラクにする方法(3)】
収納グッズ、しまい方を工夫する
衣類収納は、住宅事情や家族構成によってさまざまです。ですが、収納グッズやしまい方に関しては、どのご家庭でも見直して改善することができます。
家事代行で伺ったご家庭でも「その収納ケースじゃないほうがいいのに」「移動させるだけで重労働だな…」と感じるシーンが多くあります。1人で進めることの多い衣替えですから、苦しくならない方法を選ぶことも大事です。
1)収納グッズを見直して作業の負担を減らす
・見える収納に替える
保管する衣類が紙箱やビニール袋に入っているケースをよく見かけます。ペットボトルの空き箱を利用しているご家庭もありました。オフシーズン衣類の管理にお金をかけたくないという気持ちの表れを感じますが、少なくともダンボールなどの紙箱は避けましょう。湿気を吸いやすく、長期の衣類管理には向いていません。
衣替えを楽にするため、中が見える収納ケースを選ぶのがおすすめです。もしも今利用しているケースに中が見える窓がないなら、衣替えのタイミングで必ずラベリングしましょう。
・軽くて柔らかい収納に替える
衣替えではオフシーズンものを枕棚など高いところに収納することも多くあります。女性でも簡単に上げ下げできるよう、不織布のファスナーケースのような軽くて柔らかい衣類ケースがおすすめです。
2)収納を増設して衣替えの必要性自体をなくす
・つるす場所を増やす
つるす収納は管理が楽ですが、それなりに場所を必要とします。そこそこ点数がある場合、衣替えのたびにほかの部屋のクローゼットと入れ替えするのは大変なので、収納の増設もありでしょう。つっぱり棒やハンガーラックを使えば、クローゼットの空きスペースや壁面などを効率よく収納場所にできます。
・たたんで、しまう場所を増やす
たたむ収納はより多くの衣類を管理できるのがメリットです。深い引き出しなら手前と奥でシーズンを入れ替える、浅い引き出しならオフシーズン衣類は枕棚などに収納する方法が一般的。もしもクローゼットにすべての衣類が納まりきらないときは、ほかの部屋に収納するよりも同じ部屋に収納を増やすことをおすすめします。繰り返しになりますが、1人の衣類は1ヵ所にまとめるのが基本です。
収納の増設は手間を減らし管理を楽にしてくれる一方、無計画に進めると部屋を狭く、息苦しくしてしまうリスクもあります。くれぐれも慎重に検討してくださいね。
以上、衣替えを劇的に変える3つのアプローチをお伝えしました。いかがでしたか。量、場所、納め方。取り入れられそうなところからまずは試してみてください。
衣替えで大事なのは「オフシーズンのものをいかに上手にしまい込むか」ではなく、「オンシーズンに、今着たいもの・必要なものがストレスなく出し入れできる状態にすること」です。量と仕組みを整え、無駄な手間をかけずに日常も衣替えもラクに回せるようにしていきましょう。
なお、衣替えは「衣類のメンテナンスの機会」を兼ねていることも多いかと思います。大掛かりな衣類の入れ替えが不要になってもメンテナンスは必要です。シーズン終わりのクリーニングやしっかり洗いは忘れずに行ってくださいね。
sea<しー>[家族の片づけコンサルタント]
国立音楽大学作曲学科卒業後、音楽活動の傍ら家事代行サービスに携わる中で、掃除や片づけで家や依頼者の人生が変わっていくのを実感し、現職へ。22年間にわたり、延べ約6000件のご家庭をサポートしてきた実績を持つ。
長年の経験の中で、独自の整理収納のスタンスとノウハウを確立。インスタ映えより散らかっても気にならない空間づくりをモットーに、ただモノを減らすのではなく使う人みんながストレスなく片づけられる暮らしを提案。特に、家族単位での片づけには定評があり、単なる収納にとどまらず、家族内の片づけのゴールを共有するなどコミュニケーションの見直しから実践サポート。
現在は、家事代行マッチングサービス「タスカジ」にて予約の取れない家政婦として活躍する一方、メディアや企業向け講演・研修など活躍の幅を広げている。