そして、もっと自由にミックスを楽しむ時代へ

綿谷さん:意外と着心地が柔らかいですね
「もとが制服だからか、ブレザーの流行は右にならえ」(綿谷 寛さん)
M.E. 近年のブレザートピックにはどんなものがありますか?
中村さん ’80年代終わりから’90年代初めにもブレザーブームがあって、そのときは金ボタンが付いていれば売れるほど凄い時代で、手芸店から金ボタンが消えたほどでした。
綿谷さん 制服由来だからか、ブレザーって一度流行ると右にならえで、みんな着出すんですよね。2000年代以降だと、トム・ブラウンが提案した短丈のスタイルが印象的かな。かつてのアイビーをデフォルメした感じで面白いなぁと思って見ていましたよ。
中村さん あれ以来、ジャケットやパンツ丈が短くなりました。今またブレザーの気分が回帰してますが、着丈もその時代ほど短くはなくなりました。今季の新作を用意しているので羽織ってみませんか?
綿谷さん ぜひ。あぁホントだ。僕はこのくらいのお尻が隠れる着丈のほうが安心感があって好きかな。着心地はさすが今どきで柔らかい。
中村さん 今はチェンジポケットなどのディテールでブリティッシュに寄せつつ、イタリア仕立てで着心地はソフトというのが主流です。先ほどブレイキングルールの話をしましたが、それがもっと進み、明確な○○風のスタイルというのがなくなっている。今はいかに色々な要素のミックスを楽しむかが鍵になっている気がします。僕が今日着ているようなピークトラペルのものや、中にはデニムのブレザーなんて珍しいものも出てきました。
綿谷さん デニムとはまた上級者向け(笑)。ちなみにブレザーは今どう着るのが新しいんですか?
中村さん これもミックス感が要で、今は多国籍なブリティッシュアメリカンはまた気分です。僕は最近、タブカラーやピンホールカラーのシャツと合わせて着ています。
綿谷さん ファッションというものは繰り返すんだなぁ、というのを感じますね。
そして結論”ブレザーの今”とは?
ミックスを極めた多国籍ブレザースタイル

チェンジポケットやワイドなラペルが目を惹くダブルブレザー。クラシック然としたディテールに英国を薫らせつつ、イタリア仕立てで着心地はソフト。ドライタッチの紺無地や金ボタンにはアイビー色が強く……という多国籍なミックススタイルが新鮮。
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2019年6月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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