よし、次はラーメンだ

何度も訪れているので博多や天神の観光地はほとんど回ってしまった。今さら取り立てて必要ない、ということで、久しぶりに太宰府へ。誰もが知る菅原道真公を祀った太宰府天満宮。受験をする家族や知人がいないとなかなか赴くことはないだろう。で、参道についてびっくり。とにかく、人、人、人。そのほとんどが外国人だ。以前、鎌倉に来たときと同じ光景をここでも味わった。早々にお参りを済ませ、梅ヶ枝餅を買って移動する。

福岡第3の街・久留米。ボクらの世代だと松田聖子の出身地として有名で、ここに昔から愛してやまない「丸星ラーメン」がある。国道沿いのドライブイン。トラックの運転手がそのまま寄れる大きな駐車場完備。そんな店こそ、うまい。
店に入る数メートル前から濃厚な豚骨の香りがしてくる。暴力的なまでの獣臭というと言い過ぎだろうか、とはいえ、慣れない人はきっと驚く。豚骨ラーメンが九州を飛び出して、東京など全国に進出し、最初は閉口されたというのも納得できる話。それはこの独特な香りにある。今でこそ、好きなラーメンの筆頭にも上がるが、数十年前はそんな状況だった。


さて、日曜日の14時過ぎの入店だった、にもかかわらず店内は客でいっぱいに埋まっている。こぎみよく客をさばくおばちゃんたちに従って着席。ラーメン1杯、400円也。食券を置き、到着を待っている間にも列が増えていく。ちょっと時間がかかりそうだったので、おでんもつまむ。ビール飲みたいな、と思っていると、ラーメンがやってくる。そう、これこれ。博多ラーメンに比べてやや太いと言われるが、いまいちよくわからない。だって、うどんばかり食べているから。

まあ、あっさりが続くとこってりを求めるのは人の世の常(?)。するするとストレート麺が入って行く。麺をすすると、鼻に抜けるスープの香りがムワッとあがる。「ああ、そうだ、これこれ」と子どもの頃に食べた記憶が甦る。実は、母方の祖父母の家を訪ねる途中で幾度となく寄った店なのだ。懐かしい味。途中で紅ショウガを加えて、味変をする。何度食べても、濃厚なのに油っこくないのは不思議。まだまだ行列は収まらない。長居は無用とばかりに、席を立つ。