
BMWファンにはよく知られている通り、フラッグシップのビッグサルーンであっても7シリーズはオーナードリブンカーであり”駆けぬける歓び”に満ちたクルマだ。それゆえ初代以降、7シリーズのルックスはというと、メルセデスベンツSクラスとは違って、スポーティデザインであり続けた。
ところが近年、アメリカや中国といった大市場におけるニューリッチ層においては高級モデルに威厳=”オシの強さ”をより求める傾向が顕著になっている。そこでBMWは”バロック・エンジェルズ”の故事にならい、大型SUV・X7登場のタイミングにも併せて、BMW マスクの象徴というべきキドニーグリルの超巨大化を7シリーズのマイナーチェンジにおいても計ってみせた、というわけだった。

冒頭の写真を見ても分かる通り、前期型に比べてキドニーグリルの面積が4割も広くなっている。いっそう薄くなったヘッドライトを組み合わせることでグリルの大きさがさらに強調された。併せてノーズ先端高は50ミリほど引き上げられており、BMWエンブレムも大きくなっている。なるほど、まるでフルモデルチェンジしたかのようにオシの強い顔立ちとなった。インテリアも大型ラグジュアリィクーペの最新作である8シリーズから採用された最新のデザイントレンドへとリニューアルされている。

