50cc時代の「モンキー」を知る人ならわかるだろうが、4ストロークの50ccエンジンは幹線道路などで交通の流れに乗ろうとすると、やはりアンダーパワーに感じる。そこで排気量アップなどのカスタムをする人も多かったが、そうするとブレーキが物足りなくなり、ディスクブレーキ化するのに合わせてホイールやサスペンションも替えて……、とカスタムが進んでいくもの。
カスタムパーツが充実している「モンキー」は、そうやって手を入れていくのも魅力の1つだったが、気がつけばすごい金額を投入していて、しかも一通り手を入れた頃にはノーマルの乗り味が恋しくなるというのが「モンキー」カスタムにハマった人のパターンだった。
でも、新しい「モンキー125」は新車の状態で、全てのカスタムが済んでいるような状態。これ以上、手を入れなくても十分な走行性能を持っているし、その状態でバランスも取れている。それでもいじりたい人は、カスタムパーツもそろっているので、それらを装着していくのも楽しそうだ。

大きくなっても乗り味は「モンキー」
排気量や車体が大きくなり、各部の性能も向上していることはわかっていても、過去の「モンキー」シリーズを知る人が不安に思うのは、果たして「モンキー」らしい乗り味を持っているのか? ということだろう。一通りカスタムした人がノーマルの乗り味を恋しく思うと書いたように、ノーマルの「モンキー」はトコトコ歩くように進んで行く独特の乗り味を持っていた。走行性能が向上したと聞いても、その乗り味が失われているようでは「モンキー」と言えない、と感じる人も多いだろう。

しかし、そんな心配も走り出した直後に杞憂だったと気付かされる。排気量は大きくなってもトコトコと地面を蹴って歩き出すようなフィーリングは間違いなく「モンキー」のそれ。新型になったことで、回転上昇はスムーズになっているが、ガンガン回転を上げて飛ばすよりも低回転のフィーリングを楽しみたいと思える特性だ。それでいて、排気量アップの恩恵で幹線道路の流れにも乗れてしまうのがいいところ。「モンキー」らしい乗り味はそのままに、流れの速い道路でも気を遣わずに走れる(どころか交通の流れをリードできるほど)なんて、かつての「モンキー」乗りにとっては理想的な乗りモノだろう。