
最初に試乗したのは、オレンジのボディカラーと黒いボンネットストライプが特徴的な 「LT RSローンチエディション」だった。近年のダウンサイジング化傾向はアメ車のスポーツカーとて例外ではなく、2リッター直4ターボエンジンに8速ATを組み合わせる。

インテリアは、マイナーチェンジ前と大きな変更点はないが、液晶を組み合わせたメーターや、フラットボトムのステアリングなどモダンなものだ。全グレードで標準装備となる、ほどよくサイドサポートの張り出したレザーシートに腰をおろして走り出す。全長4785mm、全幅1900mmのボディサイズは、走り出すと意外に小さく感じられる。2リッターターボも、275PS/400Nmとパワーは十分で軽快に走る。

ハンドリングも素直だし、乗り心地も悪くない。しばらく走っていると、これがアメ車であることを忘れてしまうほどだ。燃費も悪くないし、2+2の後席は大人が座れる広さがあるし、トランク容量もしっかり確保されていて実用性は高い。もはやアメ車だからなどと構える必要はまったくない。


アメリカンマッスルも、忘れていない
一方でシボレーが偉いのが、オールドスクールな20世紀的アメリカンマッスルを望む人たちの期待を裏切らないことだ。カマロ「SS」は、6.2リッターV8OHVを搭載。これは453PS/617Nmを発揮する。実はこのエンジンは、コルベット譲りの「LT1」と呼ばれるものだ。大排気量のV8OHVという不文律を守りながらも、組み合わせるトランスミッションはなんとマイチェン前の8速から一気に進んで最新の10速ATとなった。