渡辺さんの思い出写真館 PART1(写真3枚)
西洋文化との出会いは幼少期
家業が生地の輸入であり、ドイツ、スイス、英国、フランスなどの企業と取引をしていたことから、物心ついたときには外国人が自宅を訪問するのが日常の一部だった。幼くして西洋の文化に触れていた渡辺さんが、はじめてファッションを意識したきっかけは当時大人気だったブランド「VAN」である。
「中学校の2年生か3年生くらいだったでしょうか。その頃、本八幡(千葉県市川市)の京成デパートでVANが取り扱われていたんです。ブレザーやセーターを買ったのを覚えています。同時期に雑誌『メンズクラブ』を購読するようになり、数年のちには、くろすとしゆきさん(※)の本を読むようになっていました」。
※くろすとしゆきさんは、VANの商品開発を手掛けた一人で、現在は服飾評論家として活躍中。
高校でサッカー部に所属していた渡辺さんは土日、校外での試合に向かうときに、他の生徒が、みんな学校の黒い制服を着ているなか、ただひとりアイビールックだったそうだ。
「私だけがブレザーにセーター、ボタンダウンシャツだったので、周囲から変な目で見られていました(笑)」。

