コラム: 貴重な松島さんのウエスタンブーツを拝見! (写真4枚)
洋服に執着しない理由
ここで、松島さんの個性的な人柄を紹介してみたい。本連載では、みなさんに思い出の洋服をご用意いただき紹介してきた。多くのファッション関係者は、着なくなっても愛着があって捨てられない洋服を保管しているものだ。ところが、松島さんは「着なくなった洋服は、処分してしまうので、手元に古いものはないんですよね」と、こともなげにいう。
「洋服ってかさばりませんか? ずっと洋服をため込むのは無駄じゃないでしょうか? 一生、気にいったものを残していこうと思ったら、倉庫を借りなくちゃいけなくなります。私は着ないものは人にあげるか処分しています。自動車を買い替えると、普通は古いクルマを手元に残さず処分しますよね。洋服も車も一緒では? スーツ、シャツ、基本的なカジュアルウェア、デニムがあれば(ワードローブは)足りますよ」。

※本星(ほんぼし)とも呼ばれ、表地に縫い目を見せずに縫う高度な技術を必要とする仕様のこと。
断捨離のように溜め込んでから思い切って処分するのではなく、もとから必要なものだけに絞り込む。無駄に洋服を買いこまず、必須アイテムをある程度の期間で入れ替えていく。洋服に執着をしないのが、松島さんの流儀といえる。
また、洋服に限らず、なんでも中途半端なものを買わずに、最初から(たとえ高額でも)完成されたものを選ぶ。これなら失敗しなくて済むというのが彼の持論だ。カンタータは、その視点を備えたブランドであり、松島さんはカンタータの洋服なら、5年間は流行に左右されず、装うことができるとの理念も持っている。
コラム:ここまでの内容で松島さんの人柄は、ある程度伝えられたと思う。理路整然と知的に話す彼だが、一方では実に人間的な魅力を持った方である。そんな意外な一面をご紹介したい。
その1:憧れの人物は、あの有名キャラクター
最近のプライベートの話題を尋ねたところ、『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』の鑑賞とのお返事が。「シティーハンターやルパン三世など、男のアニメが好きなんです。アニメは頭がリフレッシュできますから。冴羽 ?(シティーハンターの主人公)は仕事ができるのに、おもしろく、Hな面もあって、二面性が魅力的です」。さらに「冴羽 ?のパンツはくせ取りした状態のシルエットで描かれていますよ」と業界人らしい視点も添えての説明はさすが。
その2:ペンを通じて時間の大切さを説く
仕事をともにしてきた人にはペン1本でも大切に使うように指導してきた松島さん。「私たちの仕事はペンがないと、ごはんが食べていけません。だから、ボールペン1本でも投げたりするなよと。仕事中にペンが壊れたら、買いに行かなくてはいけませんから」。ペンを買いに行き、仮に往復で30分かかったとする。時間の損失を考えれば「ペン1本もおろそかにすべきではない」、「価格にかかわらず、大切なものなので高価なものと同等に扱う」というのも納得だ。

その3:実は夜遊びの達人?!
「夜が足りない」と面白いコメントが聞かれた。松島さんは、ほぼ毎晩、バーや飲食店へ足を運ぶのだとか。事務所近辺の主要な駅には、どこにでも行きつけがあるそう。ウイスキーが大好きで、過去には膨大なウイスキーコレクションを楽しんでいたこともあった。