
パワートレインはベース車からの変更点はない。最高出力180PS、最大トルク230Nm(スポーツモードでは250Nm)を発揮する1.4リッター直列4気筒ターボエンジンに、5速のシングルクラッチ式セミATを組み合わせる。
エンジンをかけるとアクラポビッチ社製のマフラーを装着するだけあって、アイドリング時から乾いた音が聞こえる。ブーストが立ち上がる以前の発信加速はそれほど過激ではない。そこからぐっと右足に力を込めエンジンが3000回転を超えたあたりから過給圧が高まると一気に加速する。今どき珍しくメリハリのきいた、いわゆるどっかんターボタイプだ。足回りもKONI製ショックアブソーバーやハイパフォーマンスコイルスプリングなどによって引き締められたスポーティな乗り味だ。
リーヴァ社とのコラボレーションモデルというから、クルーザーのような味付けを想像していたが、それは内外装のことだったようだ。そういえば同社は、今でこそラグジュアリィボートメーカーとして名を馳せているが、そもそもは高性能パワーボートの草分け的存在だ。レース競技などにも参加し、数々の速度記録などを打ち立ててきたことでも知られており、アバルトにも通じるヘリテイジがある。「695Cリヴァーレ」は単なるラグジュアリィモデルではなく、アバルトらしく小粒でもピリリと辛いのだ。
ちなみに車両価格は「695リヴァーレ」が405万円で全国限定85台、「695Cリヴァーレ」が422万円で全国限定65台。あわせて150台の限定車となっている。
文/藤野太一 写真/柳田由人 編集/iconic