JEEPはなぜ今も人気車なのか?【チェロキー物語VOL.2】

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現行チェロキー
現在はLONGITUDE(429万円)、LIMITED(479万円)、TRAILHAWK(484万円)の3グレードが販売されている現行チェロキー。無骨なイメージが強いクルマだが、衝突回避機能や車線逸脱警報システムといったデバイスも実は充実している。

クルマとしての仕上がりはいいのに、つまりもっとヒットしていいはずなのに、そういったマイナス要素から注目度が集まらなかった現行型チェロキーだが、昨年秋、フェイスリフトを敢行。グランドチェロキーやコンパスのような精悍なハンサムフェイスとなり、エンジンもグループ内で広く採用されている2.0Lターボをリミテッドに搭載し、さらに価格帯を下げるなど、その魅力をさらに増した。

乗り味は、そもそも手に入れていたアッパークラステイスト、つまり、素直なハンドリングや、快適な乗り味はさらに高められている。新たに採用された2.0Lターボエンジンは、ターボによるトルク変動(盛り上がり)が強いところもあるが、シートに身体が押し付けられるような加速感ではないし、何よりも低回転域から高回転域までパワー感が強く、組み合わされている9速ATのジェントルなフィーリングも手伝って、心地よさすら感じ取れるもの。

ワインディングでは素直さと正確性を増したハンドリングと、しなやかなサスペンションにより、そもそも持ち合わせていた愉しさをさらにプラス。もちろん、乗り心地の面でも不足なく、もはや、スタンダードとか、コンパクトサイズ(アメリカ本国において)という域を脱していた。

個人的にはアッパークラス感をまとっており、設計の古さが気になるようになってきた兄貴分のグランドチェロキーを超えているところを感じたほどだ。

悪路を走るチェロキー
凹凸、悪路、雪道、砂浜と場所を選ばず走ることができるチェロキー。最新モデルでは5つの走行モードをダイヤルで切り替える「セレクテレインシステム」を採用。街では快適、いざという時はオフローダーとして光輝く。

それでいながらオフロード走破性は意外にも高い。フロア下がフラットであるため(以前は隙間が多くあった)、路面に接してしまうとフロア前面でズルズルと引きずってしまうというマイナス面はあるが、サスペンションストロークをしっかりと確保しており、アメリカ本国ではライバルとされる特に日本産SUVとは一線を画している。

その中でもトレイルホークにはロッキングリアデファレンシャルやローレンジを備えたアクティブドライブロックと呼ばれるシステムを採用。これは日常は2WDと4WDを自動で切り替えるが、いざとなれば前後プロペラシャフトをロックし、対角線上のタイヤが浮いたとしても、かつ、そこが上り坂といったシーンでもオフロード専用セッティングを施したサスペンションも手伝って、果敢に上っていく、そんなジープたるポテンシャルが与えられている。

リミテッドの4WDシステムはそこまでのオフロード走破性は備えていないが、4WDと2WDを状況に応じて切り替え、ジープに求められる安定性や安心感を提供してくれるものだ。

チェロキーの運転席周り
車内はJEEPブランドらしく、手袋をしたままでも操作できるように大きめにデザインされたダイアルなど、シンプルで機能的に。オフロード走行を考えて視認性も高く作られている。

最新型チェロキーは、このクラスのSUVに求められている日常における快適性、実用性はもちろん、ジープらしさであるオフロード走破性をしっかり備えたジープだ。さまざまなSUVがあふれる中、人とは違う個性、オフロード走破性というアドバンテージを求めるなら、最新型チェロキーを是非オススメしたい。

個人的には改良前のフェイスデザインのほうが好きだが、2.0Lターボエンジンのパワー感や扱いやすさ、さらに快適性を増した走行性能を考慮すると、断然最新型がいい。

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※表示価格は税抜き

文/吉田直志 写真/FCAジャパン 編集/iconic 

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